2

*****

・労働者:『……しかし、自動人形も肩凝るのか?』

そう打ったとき、少し後悔した。

考えが足りなかったと。

隣の亜依を見ると、言葉には出さないものの、目を伏せ気味に俯いていた。

言い訳のようだが、打ったときは、"巨乳は大変なのか"程度にしか思っていなかった。

そして、連想的に思い出した北条・氏直。その身体は、浅間や葵姉とは違い自動人形だ。

だから彼女はどうなのだろう、と。

その程度の考えだった。

だから俺は、亜依の下を向いた頭に軽く手を乗せ、撫でるように手を後頭部にやり、そのまま強くこちらに引き寄せた。

*****

私はネガティブだ。そう思う。

氏直さんとは許婚のような関係だったとはいえ、ノリキ君自身がこっち選んだのだ。だから――

と、さっきとは真逆なことを考えていたら、自然と頭が下を向く。

私は面倒な女だ。そうも思う。

私の考えていることがノリキ君に伝わったら、どう思うだろう。

言ってしまえば、これは氏直さんに対する嫉妬だ。

見透かされるなんて恥ずかしい。

そう考えながら、横髪の間から隣のノリキ君を見る。

ノリキ君もこちらを見ていた。

気にしてくれていると、それだけでも嬉しい。

また視線を下に戻すと、同時に頭に何かが乗っかる感覚。

ノリキ君の手だ。

そしてそれは、まるで子供をあやすような手つきで、私の後頭部に回る。

やっぱり、私は子供染みているのだろうかと思った瞬間、さっきまでとは違う荒い手つきで、ノリキ君の方へと引き寄せられた。

HOME