A-4
・帝光時代
とある練習日。#name2#は黒子に誘われ、部活をサボッて一緒に帰ることになった。
「どうぞ」
途中で寄ったコンビニの前で#name2#にアイスを差し出した黒子。
「ありがとう」
二人でアイスをかじりながら、のんびりと通学路を歩く。
「……#name2#さん、最近練習休むことが増えましたね」
「……いいじゃない。練習したら上手くなっちゃうでしょ」
「!」
「頑張ったら頑張った分だけ、バスケがつまらなくなってくるの。それにきっと、私がほしいものはもう……」
「#name2#さん……」
普段の彼女らしくなく、諦めたような目をする#name2#に、黒子は悲しそうな顔をした。
「まあ、バスケなんてとどのつまり遊びだしね。これからは試合も適当に流して――」
「それはだめです」
「ひゃあっ!?」
言うと同時に、黒子は#name2#の背中を制服越しにつうっとなぞった。
黒子らしからぬ意外な行動に驚いた#name2#は振り向いたが、
「テツ……」
黒子の表情を見て、先程の行動について抗議するのをやめた。
「ボクはいつもみんなについていくので精一杯で、正直#name2#さんの感覚は分かりません」
けど、
「もしどんなに力が離れてても、手加減されたり手を抜かれたりするのは、ボクが相手だったら絶対にしてほしくないです」
黒子のその言葉に、#name2#は目を見開いた。
「それに……#name2#さんよりすごい人なんてすぐ現われますよ」
「……ふふっ、そーだよね」
「そうです」
#name2#と黒子は、試合中のように笑って拳を合わせた。
「――あ、#name2#さん、アイス溶けてますよ」
「え? ……もっと早く言ってよ!」
慌てて溶けた棒アイスを舐める#name2#を見て、黒子は思った。
これからもこんな日が続いていけば良い、と。
*****
【桃井視点】
「きたぁ! 今日40点目!!」
「やっぱすげぇ!!」
応援席にいる部員達から聞こえてくるのは、どれも同じように#name2#ちゃんへの称賛だった。
……なんか今日の#name2#ちゃん、すごい良いカンジで集中してる。
相手は今まで何度も苦しんだ中学屈指のフォワード・井上君なのに、圧倒してる……!
テツ君からのパスを受け取り、#name2#ちゃんは井上君のと1on1に挑もうとした。
なのに目の前にいた彼は何もせず立っているだけで、#name2#ちゃんはそれを容易く抜いて、そのままシュートを決めた。
……本気の#name2#ちゃんにこの点差、モチベーションを保つのが難しいのは分かる。
けど、こんなの……!
コート内にいるミドリンも眉を寄せているのが見えた。
「#name2#さん」
シュートを決めた#name2#ちゃんに、テツ君はいつものように拳を向ける。
だけど、
「――――」
下を向いたままテツ君に向かって何かを言っているのが見えたけれど、耳を澄ましてもこの喧噪の中じゃ到底聞こえるはずもなかった。
それから#name2#ちゃんは、向けられた拳を合わせることなく行ってしまった。