F-2
帝光中学校において、イケメンといえば何といってもまず黄瀬涼太の名が挙がる。
モデルというだけある華やかな外見は言わずもがな、スポーツ万能で人当たりも良い、さながら少女漫画に出てくるような男だ。
しかし、帝光中にはもう一人イケメンと呼ばれ人気を集める人物がいた。
桃井#name2#。
それが黄瀬と人気を二分する"イケメン"の名前である。
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「うぅ……今日も言われたっス……」
「またですか、黄瀬君。というか鬱陶しいので離れてください」
「ひどッ」
昼休み。いつものように食堂で昼食をとっていたバスケ部一軍レギュラー達。
黒子の隣を陣取った黄瀬は、着席そうそう黒子に泣きついた。
「で、今日は何言われたんだよ」
黒子に冷たくあしらわれ、精神的にダウンしている黄瀬に青峰が意地の悪そうな笑みを浮かべて聞く。
「青峰っち、なんか楽しんでないっスか……」
「いいから早く言えよ」
「……さっき、1年の女子が廊下で話してるのをたまたま聞いちゃったんスけど」
――#name2#センパイって、ほんとかっこいいよね〜。
――ねー! 頭良いし運動も出来ちゃうのに全然自慢とかしないし。
――そうそう! 飾らない自然な感じが良い!
――あーわかる。黄瀬センパイとかアレ絶対自分のことイケメンだと思ってるもん。イケメンだけどさー。
――だよねー。私もやっぱ#name2#センパイ派かな〜。
――私もー!
黄瀬の悩みというのは、ざっくりと言ってしまえば嫉妬だった。
「あーもう! どうせオレはイケメンっスよ! なんで#name2#ちゃんばっかり……!」
「フン、くだらん」
緑間の見下したような視線をものともせず、またしても黒子に泣きつく黄瀬。ちなみに青峰は爆笑している。
イケメンともてはやされる黄瀬の嫉妬する相手とは、後輩女子達の会話に登場した"#name2#"――桃井#name2#である。
その名字からもわかるように、#name2#はバスケ部のマネージャーである桃井さつきの妹だ。
双子の姉と同じ桃色の髪だが、さつきとは逆に#name2#は短髪。
背丈は目立って高いわけではないが、それでも平均的な女子中学生よりは高い。そして色々と発育が良かった。
しかし#name2#の人気は見た目によるものだけではなく、むしろ彼女自身の性格に起因していた。
「まあ、その女子達の言う事はわかりますね」
「黒子っち!?」
「つか、そんなに気に食わねぇなら直接#name2#に言やいいだろ」
「いや、気に食わないっていうワケじゃないんスけど、なんかなぁ……」
「まあ、それはともかく、黄瀬。早く食べないと昼休みが終わるぞ」
空になった食器の載ったお盆を持ち席を立つ赤司。
黄瀬は釈然としないまま急いで昼食を終えた。