B-10
・トラブル ※モブレ未遂注意
【黒子視点】
部活後の帰り道。ボクは#name4#君と並んで駅へ向かっていた。
バスケ部とラグビー部は偶然にも活動日がかぶることが多く、終了時間もそう変わらない。
だからタイミングが合うときは一緒に帰っているのだが……。
今日はなんだか#name4#君の様子がおかしい気がする。
「#name4#君、何かあったんですか?」
「何かって?」
「いえ……ただ、いつもと雰囲気が違う気がしたので。ボクの気のせいならいいんですが」
気のせいじゃないことはわかっていた。
ボクが質問した時、一瞬だが視線が彷徨っていたのだ。
それは#name4#君が何か迷っていたり、困っていたりする時の癖だとボクは思っている。
「そう? 再来週、練習試合組んだらしくて、練習とか最近ずっとハードだったんだよね。いつもより疲れたし、そのせいじゃない?」
嘘を言っているようには聞こえないし、実際そうなのだろう。しかし何かが引っ掛かっるような感覚があった。
「そうだったんですか。じゃあ今日は寄り道はやめて早く休んだ方が良さそうですね」
「えっ、それは行きたい! マジバでしょ? 腹減ったしさ……」
これは本音だ、と断言できるくらいには彼のことを観察していたから、余計にさっき感じた違和感が気になってしまう。
「それに、その、もうちょっと、テツヤと話したいし……」
「!」
恋愛事には奥手中の奥手だった#name4#君が……!
「だめ?」
自分より約20cmも上にある彼の顔を見ると、やや恥ずかしそうにしていて、だけど目線はしっかりとボクを見ていた。
「駄目なワケありません。#name4#君がよければ、行きましょう」
*****
「あの……お、襲われかけた、っていうか……」
「襲われかけたって……誰にですか」
「……先輩。ラグビー部の」
「部長とか、先生には言いましたか?」
「言ってない。……信じてもらえないと思うし、男が、それも俺みたいなデカい奴が襲われるとかさ」
「なら、どうしてボクには言ったんですか?」
「……」
*****
#name4#君を組み敷こうとしていた先輩は、#name4#君より背が低かったけれど、筋骨隆々といった体つきで、#name4#君はパワー負けしたらしい。
「何してるんですか」
「え? うわッ!? お前いつからそこに……!?」
「#name4#君から離れてください」
そう言って、#name4#君の肩を押さえていた先輩の腕を掴む。
「テツヤ……!」
「なに君、橙堂の知り合い?」
「友人です。あなたに乱暴されそうになったと相談を受けていたので」