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・武見に読心できる薬をもらうファンタジー

【蓮視点】

武見先生のところに異世界で使う薬を調達しに行ったら、何やら怪しげな薬を渡された。

彼女によれば、この薬を飲むと周囲にいる人間の心が読めるようになるという。

半信半疑ながらも好奇心には勝てず、早速使ってみることにした俺は、ルブランに裕斗さんと二人きりになるタイミングを見計らって薬を飲んだ。

ルブランを訪れた明人さんは、いつも通り"おー"なんて気の抜けたあいさつをするが、俺にはどこからともなく裕斗さんの声が頭の中に聞こえてきていた。

『今日は雨宮1人か』

誰も喋っていないのに声が聞こえてくる、なんだか不思議な感じだ。

いつもは"雨宮くん"と呼ばれているが、心の中では呼び捨てしていたようだ。どうせなら名前の方で呼んで欲しい。

とりあえず、しばらく心の声を聞いてみることにした。

『腹減ったな』

「カレー食べる?」

「えっ」

つい返事をしてしまった。

「あ、いや……最近マスターに作り方教わってるんだ。練習中だからお代もいらないし、どうかなと」

「ああ、そうなんだ。じゃあお願いしようかな」

『カレーか……レトルトじゃないのは久しぶりだな』

『…………』

『……メガネ……』

メガネ? なぜ急にメガネ?

『度は入ってないのか……』

俺のメガネか。

『ねむ……』

『腹減った』

『……そういや、マスターもメガネだったな』

『双葉ちゃんもメガネか』

メガネ気になりすぎだろ。

休日の裕斗さん、頭の中どうでもいいことばっかりだな。

でもちょっとおもしろい。俺も大概悪趣味だ。

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