後日…
陳氏から電話があり、盗聴の依頼をする前にテストをしたいと言うまどろっこしい依頼があった

全く信用が無い所と人種の中に飛び込んで行くので、技術の信憑性が無いのも仕方がないと思い
テストに応じる事にする
テスト内容は、指定したマンションの部屋の中に鍵を開けて入り、冷蔵庫の中の写真を取って鍵を閉めて来る

マンションは陳氏の持ち物らしく危険は無いと言う
その証拠に陳氏が鍵を開けて玄関内を見せてくれた
制限時間は1時間以内

その条件でテストを受ける事にする

そのマンションの鍵は当時最も一般化されていた三和のディスクシリンダー鍵(当時の建物鍵の約70%以上を占めていた)で、解錠には1分もかからなかったと記憶する

難なく部屋に入り、雑然とした冷蔵庫の中の写真を撮り(当時は銀塩フィルムのコンパクトカメラ)、施錠(ピッキングで解錠したディスクシリンダー鍵は、半開状態にする事が出来、閂操作だけで解錠するより簡単に施錠する事が出来る)

テスト時間は10分もかからずに終了した

テスト結果は合格だったらしいが…

肝心の盗聴屋の仕事としての依頼では無く、依頼した場所の鍵だけ解錠して欲しいとの事

どうやら陳氏は、最初から盗聴等どうでも良かったらしい


肝心の盗聴屋としての仕事依頼は…

ある暴力団関係者から、ある会社社長宅に盗聴器を仕掛けて欲しいと依頼があったにはあったが…

料金の折り合いが合わず、話だけで流れてしまった
他にも恐喝屋から相談されたりもしたが…

事件屋絡みで依頼もあったが…


結局盗聴屋は、殆ど利益を上げる事無く殆ど開店休業のままだった

ちなみに当時盗聴屋としての料金設定

盗聴器の取り付け(室内盗聴侵入込み)30万円

固定電話回線盗聴 取り付け 30万円

メンテナンス料金(盗聴テープ回収&編集&お届け込み)
5万円

その他応談時価

と、一般探偵社より若干リーズナブルな料金設定にしたつもりだったのだが…

裏社会の住人には殆ど需要がなかったと言う


それでも電話回線に盗聴器を仕掛ける仕事は、数える程あったと思われるが…
営業の仕方が悪かったのか、需要が無かったのか?

盗聴屋として生計を立てる事は出来なかった



爆窃団


盗聴屋だけでは殆ど仕事が成り立たなかったので、ある暴力団関係者から嫌がらせのネタを探りたいから盗聴器を仕掛けて欲しいと依頼があったのをヒントに、復讐代行商売も考えた事があったのだが…


暴力団関係者から、それは辞めておいた方が良いと忠告された

まず…荒事に性格が向いてないのと、依頼人側に肩入れ時過ぎる傾向があるので、やり過ぎて即逮捕される事件に発展すると思うので、感情的な仕事や事件屋紛いの仕事は受けるな と忠告されたのだ

それに、当時事件屋紛いのしのぎをしてた暴力団関係者のしのぎのえげつなさを見て、ナンとも言えない後味の悪さと嫌悪感を感じていたのでやっぱり自分には向いてないと感じた

それに量刑を考えた場合、復讐屋として実際に動いた場合、圧倒的に値段に合わない
(復讐屋として動いた場合、色々と併せ技で、どんな量刑が付くか未知数で恐かったと言う事実もあった)


(盗聴屋なら、せいぜい住居不法侵入と建造物破損の執行猶予付きの懲役2年)

マトモに請ける仕事じゃ無いと判断して企画倒れに終った



裏鍵屋も住居不法侵入と建造物破損と窃盗の併せ技で、初犯なら推定懲役3年で、ギリギリ執行猶予が付く可能性がある


値段に合う合わないと言うより、盗聴屋では食べて行けない切迫感と成り行きで裏鍵師をする事になってしまった…



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