目を覚ますと地獄でした。

「ーっ!?」

全身に走る痛みに身を丸くしそうとすれば、その反射的な動きにすら激痛が伴う。
溢れる涙で視界は歪み、今自分がどんな状態で何処に居るのかさえ分からない。

「落ち着け、聞こえるか?」
「っ…っは…っ…ふ…っ」

激痛で声を出すことすらままならないってのにうるっせーばか!
おい、大丈夫か!と尚も声を掛けてくる男。
うるせぇ馬鹿聞こえてるよ!喋れないだけだよ!!
おまけに涙で視界が歪むせいでその顔を認知することができない。
もう声掛けなくていいからせめて涙拭ってくれ。
腕を動かすのすら痛くて無理だから。
そんな思いが通じたのか、カサつく親指がぼろぼろ涙を流す目元を拭う。
あ、やばいダム決壊してますは。
そんなものでは止められないぜ?と言わんばかりに溢れる涙。
もーちょっとマジ勘弁してくれよ。
クソカッコ悪いじゃないですかー。
人前でガチ泣きとか乳児以来なんですけどー。

「大丈夫だ、直ぐに医者がくる」

微かに捉えたその顔は、ライだった。
…上司でなかったことに酷く安心したのはここだけの話である。
いやほんと、あの人にガチ泣き見られるとかマジ勘弁。

そうこうしている内に医者らしき人がテキパキと処置をしてくれたのだが、ねぇちょっと待ってやめて痛いって!触るんなら麻酔打ってマジ痛い!
呻くことしか出来なかったのがほんとに辛かったです。
しかも痛みで呻く姿もライに見られてたとか思うとなんかもう色々としんどかった。
どうかこの情けない姿は記憶から消して欲しい。
いやでも上司じゃなかっただけ良かったと思うべきか。

呻いて疲れたらしい身体は再び意識が途切れた。
成る程ね、気絶ってこんな感じね。
オーケーわかったもう二度と勘弁してくれ。



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