GUNDAM
エンドレスワルツ
タカキ・ウノは工具を持って戦艦イサリビを移動していた。
宇宙に上がってからというもの、戦闘が続いて、MSの損傷が激しい。完全に修理する前に、出撃しないといけない状況にまで陥っていた。
本来大人たちも大勢来る予定ではあったが……まあ色々あって……三番組だけで宇宙に上がってきたため、人手が圧倒的に少ない。
忙しくて目が回りそうだったけど、それでも一軍がいた頃よりはずっといい。
以前とは違い仕事にやりがいを感じ、やる気に満ちていて、鼻歌まじりで格納庫へ向かっているときだった。
「……っ!?」
ふいに、別の方向から何かに引っ張られた。
戦艦の中は無重力だ。抵抗しようにも抵抗出来ない。なされるがまま、部屋に引きずり込まれてしまった。
「ちょっ、ええ?」
そのまま両腕を捕まれて、壁に押し付けられる。
暗くて何も見えない。何かが目の前で動いてるけど、まだ闇に目がなれなくて、それが誰なのかはわからならなかった。
「しぃーっ」
目の前の人が、小さく唸った。
……女の人の声だ。
「スイ? さん?」
「ぴんぽーん」
声が明るい調子になった。同時に周りがぱっと明るくなる。
すると目の前にいた影はくっきりスイの形になった。キスでもしそうなくらい密着している。
はりつけたような笑みを浮かべながら自分を壁へ押し付ける彼女に、タカキは少し恐怖を覚えた。
タカキはおそるおそる聞いた。
「え、と、どうしたんですか?」
「さあ、どうしたんだと思う?」
スイが、まるで挑発するかのように、タカキの瞳を覗きこんだ。そのスイの目が嫌で、タカキは思わず顔をそらした。
「ねえ? ほんとうにわかんない?」
「やめてください! こんなこと、もう……!」
タカキは目をぎゅっと閉じながら首を強く振った。
わかっている。本当は、どうしてこんなことをしているのか。ただ自分が認めたくないだけなのだ。
何度も何度もやってきた。でも、今回は……!
そういう思いを込めて、彼女を拒絶した。しかし、それは彼女に届かなかったようだ。
スイの手がタカキの陰部に触れる。
タカキは少し反応した。
「ここをこんなに固くして、よくもまあ言えること」
「それは、スイさんが触るから」
「うるさいね」
きゅう、と陰部を握る手に力が入った。タカキはまた反応した。自分でも陰部が反応して、勃起していくのがわかる。
「こうされたかったくせに」
スイはきゅうときつく握りしめて、ゆっくり放して、それを何度も何度も繰返し行った。
最初は不快だった違和感も、だんだん快感に変わってゆく。陰部も熱を帯始め、タカキは肩を大きく揺らした。
息があらくなっていく。自分でも止められない。
タカキがあえぐ姿を見て、スイは満足そうに笑った。そしてごく自然に、タカキのズボンを脱がしシャツを捲り上げていく。タカキのピンク色の突起物があらわになった。
スイは直に陰部に触れ、突起物を吸った。さっきまでとは比べ物にならないほどの快楽が、タカキを襲う。
もう、喘ぎ声を止められなかった。できるだけ小さく唸るけれど、女みたいな高い声はタカキの喉からどんどんあふれでてくる。まるで、自分の声じゃないみたいだ。
スイは執念深く突起物を吸った。強く吸うたびに、タカキが身体をひねる。それが彼女にとってたまらないのだ。
「ねえ、嫌じゃないでしょ? これ」
スイの言う通りだ。確かにタカキは、そうやって強く突起物を吸われることが嫌いではなかった。
むしろ、もっと強くしてほしい、そう願うほどに。
でも、それを認めたくはなかったのだ。それは大人の階段を上る途中の子供の意気地か、男としてのプライドか。
もちろん彼女だってそのことはしってる。だから、挑発的に指で彼の突起物を弄った。
さっきほどではないが、一瞬だけタカキが喘ぎ声をあげた。
「ほんとは、ほしくなってきたでしょ。入れたくなってきたでしょ」
スイがタカキの手を、自分の秘部へと誘導する。
下着越しでも濡れているのがわかった。
「タカキくんのを、ここに。ね?」
理性が一気にふっとんでしまった。
人間も、結局は動物なのだ。
興奮している彼女を見て、性交したくなったのだ。自分を弄って下半身を濡らしている女に、自身を挿入したい欲望にかられた。
挿入したい。挿入して、あの快楽を味わいたい……!
「なら、ちゃあんと自分の口でおねだりしないと」
スイは笑った。いやらしい笑い方だ。
何度も何度も身体を重ねてる。彼女のその顔を見たのも1度や2度じゃない。だからその顔に少しでも興奮してしまう自分が悔しかった。
恥ずかしいけれど、それでも、己の本能には嘘をつけない。
タカキは小さく唇を開き、か細い声で言った。
「お、俺と、ひとつになってください……」
「ひとつに? どういうことかな? どうすればいいのかな? ん?」
知ってるくせに! どうするのか、知ってるくせにっ!!
「せ、セックス、セックスしてくださいっ!」
「ま、合格にしてあげる」
スイは自分の下着を脱ぎ、躊躇なくタカキの陰部を挿入した。
「う、あっ……!」
タカキはひゅうと息を吸い込んだ。
これだ。陰部を温かく、優しく包み込む感覚。
だめなんだ。どうしてもこの感覚だけは、とても気持ちがいい!
スイが狂ったように腰を動かした。タカキは快楽に耐えられなくて、ただそれを受けるだけ。
もう声を押さえる余裕もなかった。誰かに見つかるとか、恥じらいとか、一切関係ない。
「かわいいっ、かわいいよタカキっ」
とろけ顔のタカキを見て、スイも興奮した。悲鳴ともとれる喘ぎ声を出す口から、涎が垂れている。もう、そんなことを気にすることも出来ないのだ。
「ダメスイさんっ、出る! 出るから出してっ、出してください!ナカはだめですよお……っ」
もう限界だった。快楽によって半ば活動を停止している頭でも、精液を女性の膣内に出すことがタブーだということは覚えている。
それだけは守らなければ、自分は、もう……!
「仕方ないなあ」
スイは素早くタカキから離れた。そして、爆発寸前のタカキの陰部を強く握りしめた。
「んあああああっ!」
ギリギリだったタカキは、一際強く喘いで射精した。勢いよく飛び出たそれは、すべてスイの手に。
「んふふ。出ちゃったね、精液」
スイは満足そうに、精液にまみれた自分の手を眺めた。
タカキは大きく肩を揺らし、息を整えている。射精の余韻でまだまともに考えることができない。
「ねえタカキくん、嫌じゃないでしょ?」
彼女は笑った。
ああ、俺はこれから先、どれだけ拒否しようとも、彼女から逃れることはできない。
だって、この行為はとても……。
どこか遠くで、タカキは確信していた。
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