GUNDAM
共同幻想ユートピア
※もしも鉄華団に来たのがメリビットじゃなくビッチだったらって話。
※だいぶひどいです。
オルガ・イツカは心なしか緊張していた。大きく息を吸い、吐いて拳を握り締めると、じんわり汗がにじみ出てくる。
彼は今、スイという名の女性が使っている部屋に来ている。つい先程彼女に呼ばれて、彼女の部屋に招待されたのだ。
といっても、彼女が使っている部屋自体は鉄華団、つまりオルガの所有物なのだが。
彼女はタービンズから来た、いわゆる鉄華団の『お付目役』だ。
落ち着きがあり、自分たちとは違う品のようなものを感じさせる立ち振舞い。営業用なのだろうが、その柔和なスマイルが印象的だった。
(それでもなんか、目が合わせらんねえんだよな……)
今まで見たことのない、仕事ができて、頼れる大人の女性に、オルガはあがってしまい、顔合わせのときは挨拶どころかまともに顔を見ることさえできなかった。
そんな彼女が、あのふわりとした笑みを浮かべて、ベッドの隣に自分を座らせている。
自分は緊張で目をあちらこちらへ流しているのに対し、スイは自然体で、自分の目を見て話すことが、オルガは大人の余裕を見せつけられている気がしてあまりいい気持ちにはならなかった。
「あの、すんません、挨拶が遅れてしまって……えっと」
「全然いいですよ。団長って忙しいでしょう? むしろこっちが部屋に呼び出しちゃって申し訳ないって思ってたんです」
横目でスイを見ると、彼女は言葉を紡ぎながら、たえずこちらを見て笑みを崩していない。思わず、ずっと見ていたくなるような顔だ。
こういうとき、自分も余裕を持って笑顔を返せたり、世間話をしたり、彼女に釣り合うくらいの対応ができたらいいのに。
現実は、あらぬ誤解をされたくなくて、すぐに目を反らしてしまったのだが……。
……いや、
目を反らしたのは、それだけが理由ではない。
「あの、も、もしかして、お着替え中でしたか?」
オルガは思いきって口に出してみた。
「すんません、目のやり場に困って……」
彼が動揺するのも無理なかった。
なぜなら、今の彼女の格好は、胸元をでかでかと強調し、そこしか布が巻かれていない、最早服と言えるものなのかすらわからないものと、下着が見え見えなとても短いスカートを履いている。上にショートジャケットは着ているが、他には何もない。
水着みたいなものには、「BITCH」というロゴがでかでかとプリントしてある。最も、オルガはその単語が何を意味するのかは知らないが。
女に免疫のないオルガでなくても、この格好をされていたら、誰だって混乱する。
スイは、そんなオルガの反応を楽しむかのように答えた。
「何言ってんですか、オルガさん? これ洋服じゃないですかぁ」
スイはけらけら笑いながら、見せるように少しだけ服を引っ張る。
「ちょっと地味なんですけど、あんまり派手なのは
マクマード・バリストン に怒られちゃうからぁ」
地味? だって?
オルガは自分の耳を疑った。
水着や下着同然の服? が、地味?
「ねえオルガさん、セックスしましょ」
スイはぎゅうっとオルガの腕を抱き締めた。露出された胸に、腕が触れる。
オルガが抵抗する前に、スイは素早くキスをした。男をその気にさせるキスを。
何度も何度も激しく唇を押し付ける。びっくりして何もできないオルガが気を緩めた瞬間に、舌を入れ込んだ。
スイは積極的に攻めた。オルガははじめての官能的なキスにとまどっているようで、ただそれを受けるだけだった。
柔らかい感触。オルガは突然何をされたのか理解して、真っ赤になった。
「待ってください、俺らまだ会ったばっかっスよ?! こういうのって、もっとこう、順を追ってするもんじゃあ……」
オルガがあわてて説明すると、スイはバカにしたように笑った。
「順を追って? なにそれえ。セックスってヤりたいときにパコパコするものでしょ?」
甲高い笑い声が、オルガの耳に響く。
「出会って交尾、仲良くなって交尾、気持ちよくなるために交尾ってね。キャハハハッ!」
スイはもう、オルガのことを見ていなかった。彼女が興味を持っているのは、彼の体である。オルガ自身もスイの目を見てそれを悟った。
同時に、何とも言えぬ嫌悪感も覚えた。
この人はセックスをすることしか頭にない。しかも、驚くほどひどく、病的に。
目が、しぐさが、全てを物語っている。
オルガはすぐにでもその場を立ち去りたかった。しかし、その思いに反して足が動かない。
圧倒されているのだ。彼女の純粋とも、狂気とも呼べる性交への執着が、オルガをいとも簡単に飲み込んでいるのだ。
「ねえオルガさん」
スイは、先程とは打って変わって、優しい口調で言った。
「なら、こう捉えるのはどうかしら。セックスはビジネスだって。お互いよりよく仕事ができるよう、とても手っ取り早いコミュニケーションの一環だと」
「仕事のためのコミュニケーション?」
「そう。一日でも早く仲良くなれたら、それだけ効率よく仕事ができるでしょう? 仕事がよりできるということは、オルガさんが得をするだけじゃない。仲間だって助かるはずよ。仲間のためにセックスをするんだって思えばいいのよ」
「仲間の、ために……」
オルガは繰り返した。目が泳いでいる。仲間というワードが、彼の心を動かしていることは明らかだった。
(アハッ! 本気で信じてるっ! そんなわけないのにっ! 団長がセックスしか頭にないヤリチンじゃあ、鉄華団とかっていうのすぐ潰れちゃうじゃん!ちょっとは考えなよバァーカバァァァーカッ!! キャハハハ!)
スイは舌舐めずりをした。
(でもそれチョー最高ッ! みーんな交尾することしか頭にないヤリチンになってっ、毎日毎日セックス三昧になるのっ! 楽しみすぎて今からでも濡れちゃう! キャハッ!)
スイはこのオルガ・イツカという青年がどういう人物なのか理解した。
彼は『鉄華団』とかいうグループに縛られているのだ。責任感があり、誠実で、仲間思い。特に仲間のためならどんな犠牲もいとわないような人間。
なんて扱いやすい人なんだろう。仲間という言葉を出しただけで、股を開くことを許そうとしている。きっと彼が童貞で、女に慣れていないことも原因なんだろう。
こういう奴は一回ヤるだけで堕ちる。ああ、全てを終えたとき、彼はどんな顔を見せてくれるのだろう。
想像するだけで下半身が疼くのがわかった。
「それじゃあ早速、いただきまーすっ」
返事を聞くことなく、スイはオルガのズボンを脱がせ、彼の陰部を口に含んだ。
「ちょ、ちょっと待ってくだッ……汚いッス……うあっ……!」
「汚くない、汚くないっ。チンポチョーおいしいよ、ずーっとしゃぶってたいくらぁーい」
オルガの静止も気に止めず、スイは陰部をしゃぶった。
あまり清潔じゃないそれは臭いもひどく、白い汚れもこびりついていたが、スイはそれをさも美味しそうに舐めとった。
徐々に、オルガに快楽が押し寄せてきた。しばらく抵抗していたが今はそれどころじゃない。はじめて経験する感覚に、彼はスイの頭を掻くことくらいしかできなかった。
ちらりとスイがオルガを見た。ふたりの目が合う。オルガは急に恥ずかしくなり、陰部がさらに固くなるのを感じた。
信じられない。こんな女性が、こんなに下品な顔してフェラチオをするなんて!
自然と、目がスイの顔から彼女の身体へと移る。
いつのまにか服が脱ぎ捨てられている。なんて器用な。フェラをしながら服を脱ぐなんて。
弾力のありそうな肌が露になっている。さらに目をやると、大きなおしりが揺れている。まるで尻尾でも振っているようだ。
フェラチオの先は、スイに先導されて、そのおしりの中に自分自身を突っ込むのだろうか。
あの小さいおしりのどこに、この大きいモノが入るっていうんだ。
性知識の少ないオルガは、自分の陰部をどこに入れるのか知らなかった。
快楽に耐えながらも、じっとスイの下半身を見つめた。彼女が腰を振る度に、ゆらゆらとオルガの目も揺れる。この動きを、自分を中にいれたままするのか……?
…………えっ?
オルガは目を見張った。
この
女 、俺のモノをしゃぶりながら、自分の下半身を弄ってやがる!
ぐちょぐちょという水音は、スイの口と陰部から出るものだけじゃなかったのか。
「ちょ、も……無理っ。離れてくださっ……」
身体が熱い。もうすぐで射精すると、全身がサインを出してる。
オルガは全力でスイを退かそうとした。それでも彼女は陰部から口を離そうとしない。快楽によってオルガは力を出せず、非力な彼女でさえ押し退けられなかったのだ。
スイは絶えずフェラチオを続けている。それどころかさらに激しく、そして強く陰部を吸った。まるで、早く精液が欲しいとでも言うように。
……だめだ、出る!
「くうっ!!」
勢いよく、オルガの精液はスイの口内に噴射された。
「あは、ザーメン出たぁ。濃いザー汁お口にドップドップ出ちゃったあっ。もう堪んなぁい」
熱く生臭いものを口の中で何度も味わいながら、スイは精液を飲み込んだ。その顔は濃厚なキスをしたかのようにとろけている。
「えへへ、もう我慢できないっ。チンポ美味しそうっ。こっちのお口でもいっぱいしゃぶりたいってウズウズしてるのぉっ!」
大きく肩で息をするオルガを押し倒して、スイは上に股がった。彼の陰部を掴み、自身の入り口にぴたりとくっつける。
射精の余韻でまだ頭が回らないオルガはあわててストップをかけようとしたが、遅かった。
「あはははははっ!!来たっ、 童貞チンポ食べちゃったあっ!!」
すでに自身の陰部はスイの膣内に収まっていた。
フェラチオとは違う気持ちよさが襲ってくる。さっきの余韻も、どこかへ飛んでいくくらいに。
懸命に口で息を吸い、快楽に耐えるオルガをスイは舐めるように見た。
ぞくぞくする。これだから、チェリーボーイとヤるのはやめられない!
「っく……うあっ……」
「んっ、んっ、んっっ!!はああ、セックス最ッ高! 気持ちよすぎて、頭バカになっちゃいそうっ、キャハハハッ!」
スイは夢中になって動いた。腰を落とすたびに、中のモノがびくびくして、さらに固く熱くなっていく。
オルガは喘ぎ、必死になって両手で顔を覆いながら、自分の上で乱れるスイを見た。豊かな胸が、彼女の動きに合わせて激しく揺れている。
ふいに、スイの顔がぐいっと近づいた。さっきまで乱れていた胸がぴたりと自分の胸元にくっつく。肌と肌でふれる感触は、オルガの陰部をさらに熱くさせるものだった。
「ねえ、気持ちいい? 気持ちいいっ? あんたのチンポもバカになりそうでしょ? そうでしょう? ねえっ?」
スイは無理矢理口付けをした。先程の官能的なキスを。
行為中のせいで夢現のせいか、先程よりもキスが気持ちよく感じた。お互い獣のように、積極的に激しく唇を貪る。
スイの言う通りだった。気持ちよすぎて、何がなんだかわからないくらいだ。
身体が熱くて、下半身の感覚が全身に行き渡って、脳が溶けていきそうなくらいに、とても、とても気持ちがいい。
このまま、ずっと続けばいいのにと思うほどに。
「やぁだ、射精するの早いよお。私全然イけてないのに」
気がつけば、スイがけらけら笑いながらピストンを中断していた。変わりに、少し休憩とでも言うようにゆっくり腰をスライドし続けている。
……射精?
「お、俺……! 中に……!」
ようやく自分のやったことを理解したとき、オルガはさっと血の気が引いた。
あまりにもおかしすぎて、射精したことも気がつかなかった。しかしこの気だるさは、明らかに射精を行っている。
オルガはあわてて自身を抜いて、裸のまま土下座した。
「す、すんません、すんませんっ! 子供ができるかもしれないのに! 俺、最悪っ、責任取りますんで! だから俺っ……!」
「あっ、ちょっと、まだ抜いちゃダメでしょー? まだパコパコしたりないんだから」
「……は?」
今、なんと言った?
「あの、子供は……」
「子供? ちゃんと避妊してるに決まってるじゃない! 中出しが一番気持ちいいのに、子供出来ちゃったらセックスできなくなるでしょう?」
「ひ、避妊……」
オルガは全身の力が抜けていくのを感じた。
「そうか、よかった……」
「ねえ、どうだった?女の子の中に出すの、気持ちがよかった?」
スイは間髪いれずにオルガの目を見た。混乱、快楽、安心、不安。色んな感情が混ざりあった目だ。
対するスイは、ある意味真っ直ぐな目をしている。
まるで洗脳するかのように、スイはオルガの目をじっと見つめて、甘い声で、しかしはっきりと、囁きかけた。
「チンポを女の子の中に出し入れして、精子を出すのが気持ちがよかったかって聞いてるのよ」
まるで悪魔の囁きのようだ。
それは様々な感情に飲まれつつあるオルガの心にダイレクトに響いた。気持ちが良かったことは紛れもない事実なのだから。
自分の気持ちに嘘はつけない。混乱しているときは特に。
オルガはこくりと頷いた。
「んふ。じゃあ、まだまだ楽しまないとね」
スイは再度、オルガの前に自分の秘部を見せた。
「ほらオルガ、今度は自分から入れて、動いてっ、ほらあ」
恥ずかしげもなく、スイはおしりを向けて誘う。オルガもそれを受けて、ゆっくり自身を挿入した。
先程のことで、ガタが一気に外れた。
もう、迷うことはない。
ただ、本能の如く、オルガは腰を打ち付けた。
「あはっ、あははっ! やばいこれっ、乱暴に出し入れされてるの、これ超やばいっ!やばいよお!!」
愛なんて一切なかった。お互い求めるのは、ただ己の快楽のみ。だからこそ常人より激しい行為がそこにあった。
シノやユージンは、こんなことをしていたのか。それなら、変な意地なんか張らずに、あいつらと一緒に行きゃあよかった。
オルガはピストンをしながら思った。
もちろん、シノやユージンが行ったものは、ここまで狂気じみたものではない。
しかし、スイと行う行為だからこそ、シノやユージンよりもより楽しいセックスを行っていることも事実だった。
オルガの固くなったモノはスイの膣内を容赦なく打ち付けた。重い一撃を食らう度に、スイに激しい快楽が押し寄せる。気絶しそうなくらいだ。
気持ちがいい。何も考えられない。お互い、全身でこの行為を楽しんでいる。心の底から!
「んあああっ! いくいくいく! イっちゃうっ! キャハハハッ! セックスはじめての男にイかされちゃったあ! あはははははっ!! セックス最高ーっ!!!」
二度目の射精の後、オルガは射精の余韻に浸り、ゆっくりと服を着始めた。
「すんません、俺、そろそろ行かないと」
「ええ? つまんないなあ」
スイは口を尖らせながら、文句を言った。
彼女にとってはこのくらい、まだまだ序ノ口なのだ。
「って言いたいところだけど、団長さんなんだから、仕方ないよね。こっちも勝手にレイプまがいのことしてごめんなさい」
スイはまだ着替えるつもりはないらしい。裸のまま部屋に取り付けてあるポットでインスタントコーヒーを作り出した。
オルガはそれを尻目に、名残惜しそうに部屋から出ようとした。
ドアの前で開閉ボタンを押そうとして、ぴたりと止まる。
「あの……」
オルガはまだ覚めぬ熱を感じながら、おそるおそる言った。
「もし、よかったら、また時間が空いたら、来てもいいですか? ここに」
「もちろん、大歓迎よ」
スイはにっこりと笑った。
……完全に、この男は堕ちた。
もう少し数を重ねていけば完璧に堕ちてくれるだろう。
団の指揮官を手込めにすれば、他の人間はどうとでもできる。それこそ今回みたくゆっくり調教してもいいし、何人かを一辺に襲ってもいい。
これから、私は楽園を作っていくんだ。
スイの笑みは、その考えを含んだ笑みだった。
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