青の破軍
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劣勢を極めていた戦いは、三日月と昭弘が再び参戦したこと、
さらに逃げていたマルバ率いる1軍が、オルガの策略で図らずとも敵を引き付けたおかげで息を吹き替えしつつあった。
その間に参番組は体勢を立て直した。戦闘不能のMWや怪我人を運びだし、損傷の浅いMWは再び出せるよう急いで修理した。
私も懸命に働いた。パーツを運んだり、怪我人の手当てをしたり。やることは山ほどあったし、それでも人手が足りないくらいだ。
特に、働き手が全員子供だということも痛かった。よく働いてはいるけれども、一人一人ができることがどうしても大人より劣ってしまう。
せめて、Hi-νガンダムが直っていたら……。
安全を重視して修理を遅らせていたことを、今になって後悔した。
「……!」
「どうしました? アイリンさん」
「タカキくん……。MS、来る!」
「え?」
私が言うのとほぼ同時だった。MSが3機、やって来たのだ。
形勢は一気に逆転した。MWがMSに叶うはずがない。参番組全員に、絶望の色が浮かんだ。
ダンジと昭弘が次々に愚痴をもらす。
「逃げなきゃ!」
「どこへ」
「そうだ。逃げ場なんてない……戦うぞ!なあ、ミカ!」
オルガは、三日月を見た。三日月もそれに答える。
「次はどうすればいい? オルガ」
オルガが、にやりと笑った。
******
オルガの指示で、三日月はおやっさんのところへ向かった。MSに唯一対抗できる、あれを手にするために。
でも、そのためには、三日月が戻るまで時間稼ぎをしないといけない。
私はもう、我慢の限界だった。
「三日月、MW借りるね」
「お前、MW動かしたことあんのかよ!?」
MWから少しだけ顔を覗かせていたユージンが叫んだ。
「ない! けど、砲台くらいにはなる! 弾の補充急いで!」
私はマイクをつけてコクピットに滑り込んだ。
まだ電気が生きている。少しでもレバーを動かせば、そのまま機体が動くんだ。
ああ、なんて久し振りなんだろう。実戦で戦うのは。
「……なんとなく、わかっちゃうんだよねぇ。なんちゃって」
本当だった。どれがレバーで、どれがどのボタンか、まるで手に取るようにわかる。私のガンダムと中が酷似しているんだ。
どの世界にいっても、コクピットが変わらないのはうれしい。し、なんだか不思議だ。
「弾の補充できました!」
「おっけー!オルガ、アイリン出るからね! 止めたって無駄だから!」
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