
足音3
7月7日
天気もよく、きっと天の川も観れるだろうと思う1日が始まる。
『ねぇ、どこと試合するの?』
「言っても分からねーだろ?」
『そうなんだけどさー…』
「俺ら入れて5校だよ。」
『たくさんいるんだね〜!!』
「俺、頑張るんで応援してて下さいね!」
『勿論だよ〜!頑張ってね、リエーフ君!』
「あ、ずるい!お、俺もおおお応援してくだっさい!」
『そ、そんなに緊張しないで!?』
「…山本うるさい。」
『あ、ごめんね研磨君。』
移動しているだけで話が弾む音駒。本当に良いチームだなと思わされてばかりだった。
「里紗ちゃんがいるだけで華やかになるねぇ。」
『あ、ありがとうございます。』
そんなことを猫又先生に言われたら、嬉しくなるのも仕方がないだろう。仲間として認められたような感じがした。
『…やばい。眠くなってきた。』
「そーいや、俺が起きる前から起きてたよな。何してたんだ?」
『何って…お弁当とかドリンク準備とか…あ、レモンの蜂蜜漬け作ったんだよ!』
「まじで!?おい、お前ら今日は里紗がレモンの蜂蜜漬けというものを作ってきたから勝つぞ。」
鉄朗が喜びながらそう言えば、みな大喜びして「おう!!」と声をあげた。
『楽しみだな〜練習を見てるだけで楽しかったんだもん、試合なら尚更楽しみだな。』
欠伸を噛み殺しながらそういうと頭をポンポンと撫でられ、
「まだまだ着かねーし、少し寝とけ。じゃないと俺のかっこいい姿、焼き付けれねーだろ?」
『それは困るな…。』
そして自然と落ちる瞼。
「おやすみ。」
『ん…』
どれだけ眠かったのだろうか、気を抜いた瞬間睡魔が私を支配したのだった。
*
*
*
*
「おーい、そろそろ起きろー。」
そんな声に目をさますと、黒尾の肩がすぐ目に入った。
「よく寝てたな。」
『あ、ごめん!寄りかかっちゃって…』
「いーよ、別に。」
『もう着くの?』
「おう、だからみんなを起こさねーとな。
おーい、そろそろ起きろーー!!」
そんな声にむくりと一人二人と起き上がる。
『研磨君、もうすぐ着くよ〜』
「…眠い。」
『あはは…今日は早起きだったからね。
自然と研磨の頭を撫でていると夜久くんがまじまじと見つめる。
「なんか、2人って姉弟みたいだよな!」
『え?あ!ごめん、研磨君!』
「…別にいいけど。」
「もう着くから準備しろー。」
そんなこんなで着いたのは東京都郊外。…らしい。
『ここかぁ〜。』
「そうだ、ここだ。」
『どうしよう。』
「何が?」
『楽しみすぎてドキドキしてきた。』
「バレー好きなんだっけ?」
『うん、バレー部じゃなかったんだけど、友達がバレー部でさ〜』
「里紗は何部だった?」
『バスケ部。高校ではバレー部の応援部?』
「なんだそりゃ、どーせ帰宅部なんだろ?」
『う…まぁ。』
ぞろぞろと歩いていて体育館まで行くと聞こえるバレーをつく音。
「おーし、準備したらアップするぞー。」
『私に何か出来ることある?』
「そうだな…応援。かな。」
『じゃあ、張り切って応援する!』
「しっかり見とけよ?俺らのプレー。」
私の頭をくしゃりと撫でるとコートの方へと戻って行く。
『まだあと1校が来てないんだな〜。』
そう思いながらアップをする彼らを見る。
すごい迫力。そして何より伸び伸びと楽しそうにバレーをする彼らにときめく。
かっこいいな…
私は中学の時こんなにも楽しくがむしゃらにやってたかな…
「おーし、水分補給ー。」
そんな声が聞こえて急いでタオルとドリンクを持って行く。
『みんな、やっぱりかっこいいね!お疲れ様!)
そう言い、みんなにタオルとドリンクを渡すと
「俺、試合で里紗さんの為に勝ちます。」
『うん、カッコイイ姿期待してるね、虎くん。』
するとやる気になったのか、大声を出し、鉄朗に叩かれてた。
「お前、人をあげんのうまいな。」
『そう??』
「里紗、ドリンクとって。」
『はい、研磨君も上手だったよ。試合で研磨君のあげるトスが早く見たいな!』
「…そんなにうまくないよ。」
『え、そう?他のチームも見てたけど、研磨君は冷静に周りを見てるからレベル高いと思うけどな…』
「…お前、よく見てんな。」
『バスケのお陰かもね。相手の癖とか苦手なプレー、逆に得意なプレーとか見極めたり予測してプレーしてたからかな〜』
「…お前、このままマネージャーやれよ。」
『音駒高校でもないのに?それは流石にダメでしょ。』
「ダメならお前ここにいれねーだろ。」
『あ、そっか。でもさぁ…」
「…里紗が入ってくれたら嬉しいと思う。…みんな。」
『…マネージャーやろうかな。』
「研磨、よくやった!」
その言葉を聞きつけた仲間達が嬉しそうに笑いながらこちらへとやって来る。
「何何!?里紗さん、正式にマネージャーになってくれるの!?」
「いいと思うよ。」
「うん、いいマネージャーになってくれると思う。」
『私に出来ることなんて無に等しいと思うけど…』
「…分析。里紗は分析力が凄いと思う。」
「じゃあ、よろしく頼んだぞ。これ、やるよ。」
『ノートとペン…』
「やる気出ただろ?」
『…やるだけの事はやってみます。』
するとみんなは嬉しそうに笑った。
「新しい部員だ。今日はこいつに俺たちのプレーを見せつけるぞ!」
「「「おう」」」
そう言って、またアップに戻る。
3人を除いて。
『鉄朗と海くんと虎くんはアップしないの?』
「今から迎えに行くんだ。烏野高校を。」
『烏野…』
まって、烏野ってどこかで聞いたこと…
「里紗さんも行きましょう!」
『あ、それじゃあドリンク作ってから追いかけるね。』
そう言ってドリンクを作り、あの3人を追った。