『もうむり…』
そうやってまた彼女は泣きながら俺のところにやってきた。
きっと夢中にさせるから
今日も明日も?
それは嫌だから。
俺の好きな人は、いつから一緒にいるのか分からないくらいから一緒に居て、すぐに恋をしては俺に話すごく普通の女の子。
「だからさー、美月は恋するやつを間違えすぎなんだって。」
『うるさいなー、ほっといてよ!英のバカー!!』
「美月が俺の家に来たんだろ。」
呆れながらも彼女の話を聞くのは間違いなく俺が好きだから。
ーーいつから?
そんなの知らない。本当に自然と好きになった。
俺が好きだと自覚すると彼女も恋を覚えた。
嬉しそうに『好きな人が出来た』と言う彼女を見てどれだけ苦しかった事だろう。
いつも顔に出さない俺でさえ、哀しさを思いっきり顔に出したのではないだろうか。
今では隠しきれるようになった。
だけど心は幼き頃のままでーー
「そんなに辛い思いばかりするならもっと考えろよ。」
『……。』
「もっと美月を思ってくれる人がいるだろ。」
『英は?』
「は?」
『英は辛い思いをしてでも叶えたいって想い、した事ない?』
何気なく言った言葉は、俺に突き刺さる。
どこまで我慢すれば、この想いは成就する?
どこまで我慢すれば、この想いに終点を打てる?
どこまで行っても交わらない想い。
壊したくなかったこの関係。
「あのさ、俺だって人間。それ位してる。」
いっそ、壊してしまおうか。
壊したらきっと君は立ち去るだろうけど。
「バカで全然気づきもしない。こんなにも隣にいて、誰よりも分かってるのに全然分からない。いつになったら振り向いてくれるのか。」
いやーーー立ち去るならば追いかけようか。
いつもは追いかけられていたけど、たまには俺が追いかけてみようか。
「好きだよ、美月。」
目が開かれる幼馴染。
本当に気づいていなかったのか。
それはそれで複雑だ。
『いつ、から…?』
「知らないよ、これだけ一緒にいるんだから。」
だけどこれだけは言える。
スタートラインにすら立ててなかった俺だけど、やっと立てた。
それならゴールまで行くしかない。
もちろん、そんなに時間はかからない予定だけど。
「覚悟しててよね、夢中にさせるから。」
いつになく言った言葉は宣戦布告。
幼馴染のあいつは真っ赤になって俯く。
明日からは本人公認片想い。