ずるいから好きです

ずるいずるいずるい。
爽やかに何でもやってのけるあいつがずるい。






















ずるいから好きです
ずるい君に伝えましょう。
私は貴方が何故か大好き。って。






























「何、赤点?」
『煩いバカ島 蛍。』
「は?バカなのは美月でしょ。」

赤点なんてどうやってとるの?と言わんばかりの表情。

『ほっといてよ、どっかいって蛍のバーカ!!』
「うん、出てってくれたらいいんじゃない?」
『やだ寒いもん。』
「家帰って暖房つければいいでしょ。」

ごもっとも。だけどここにいるのは寒いだけの理由じゃない。

『……やだ。』
「は。」
『家に帰ってもどうせ一人だもん。』

一軒家にはたったの一人。
両親は海外を飛び回ることもあるビジネスマン。
一人で過ごす生活が当たり前。
そんな中いつもいてくれたのが何を言おう、月島 蛍。
決して、大丈夫?とかそんな優しい言葉をかけてもらっていたわけじゃない。
ただただ側にいてくれただけだ。

「素直になればいいでしょ。」
『蛍だって素直じゃないじゃん。』
「…別にいいでしょ。」

居心地が悪そうにしながら言う。

「で、言いたいことは。」
『……ない。』
「寂しいから一緒にいたい。でしょ?」

勝ち誇ったように言う彼はずるい。
何事にも私は負けっぱなし。

『……ずるい。』
「褒め言葉。」
『褒めてない。』
「ほら、おいで。」

たまに見せてくれる優しい言葉と行動。そんな彼にやっぱり私は負けるのだ。

『蛍…』
「何?」
『好き。』
「……やめてくれる?そんな可愛いこと言うの。」

真っ赤になって言う彼。
普段は負けっぱなしだけど、たまには勝たせてもらおうかな。


『蛍、顔真っ赤。』
「美月、煩いよ。」


とはいえ、ずるくてカッコよくて優しい彼が大好きです。



Noah