何で紫耀なの。ほんま腹立つ。ズルい。頑張れ。
マネージャーから今回の仕事にいついて聞かされた時、秒で文句を言ってきた岸くん以外の3人のことを思い出す。

仕事なんだから仕方ないでしょ、と言いつつ、俺も内心はめちゃくちゃガッツポーズだった。

「〇〇、もうメイク終わるみたい」
「あ、分かりました」

結婚情報誌の表紙と、それにタイアップしたCM。
数日前から、何度も確認した企画書と睨めっこしていると、やけに上機嫌なマネージャーから、そう伝えられた。

「可愛かったですか?」
「それはもうすっごく」
「え〜、なんか緊張しちゃうな」
「平野、そうしてると本物の新郎みたいだね」
「えぇ?!」
「もちろん冗談だけど。〇〇と結婚なんて絶対許さないから」
「わ、分かってますよ、!」
「慌てすぎ笑」

「△△〇〇さん入りまーす」

マネージャーと笑いながら話していると、ようやく全ての準備をお終えたらしい〇〇が、スタジオに入ってくる。
俺のいる位置からではまだよく見えないけど、付近にいた女性スタッフさん達は、きゃあ!可愛い!と口々に〇〇を褒めていた。


「あ!しょお〜!」

これは、本当に可愛いな、と思う。
俺の姿を見つけて嬉しそうに笑ってくれる姿も、いつもよりちょっとだけ輝いて見える。

「どう?」
「やっばい……めちゃくちゃ綺麗、」
「ほんと?良かった」

「あ、歩きずらくない?腕掴む?」
「うん、ありがとう」
「ドレスってすっごいね、意外と圧ある」
「ね。ふわふわしてるけど結構重いんだよ」
「そうなんだ、」

衣装でドレスを着ている〇〇はよく見るけど、やっぱり、それがウェディングドレスとなれば話は別。
さすがに耐性が無さ過ぎて、どうしても照れが勝ってしまう。

ただ、それは〇〇も同じみたいで、スタジオの定位置に着くなり、お互い顔を見合わせて笑い合った。

「二人とも本物の新郎新婦みたいだね。そのままの雰囲気でお願い」
「はい」
『よろしくお願いします』


「じゃあ、最後は何かフリーで!おまけにたくさん写真載せたいから、仲良さそうな感じでお願い出来る?」
「えぇ!?難しいですね、笑」
「〇〇ちゃんがやりたい事でもいいよ。なんかある?」
『うーん、そうですね、』

撮影も順調に進み、いよいよ終盤。
ようやくお互いこの雰囲気に慣れてきた事もあるのか。現場を見ていた監督さんから、最後の無茶振りがきた。

自由に何かやってみて、と言われても、こんな状態で何が出来るんだ。
焦った頭で色々と考えた結果、以前ドラマで結婚式を挙げたカップルが、最後にしていたことを思い出す。

「〇〇、お姫様抱っこしてあげる!」
『え、ほんとに?』
「うん!ちゃんと掴まっててね………よっ、と」

ウェディングドレス姿の〇〇を抱き上げた瞬間、おぉ!とスタジオ中から歓喜の声が聞こえて、よっしゃ!と思った。

『ふふ、なんかすっごい幸せかも』
「分かる。俺も」
『ただの撮影だし、これも衣装だけど、なんかスタッフさん達の笑ってるところ見てると本当に結婚式してるみたい』
「ね。俺も今めっちゃ楽しいもん」
『わたしも。めちゃくちゃ緊張したけど、紫耀が相手で良かったよ』
「え、」

一瞬、カメラがシャッターを切る音さえ聞こえなくなるほど動揺した。

多分、〇〇にとってはなんて事ないセリフで、これが俺以外の誰かであっても、同じことを言うんだと思う。




「〇〇ってほんとズルイよね、」
『……メンバーだからって意味じゃないよ。岸くんだったら緊張してガチガチだろうし、廉だったらふざけ過ぎて怒られちゃったかもしれないし、結果は分かんないけど、わたしは今、紫耀と一緒にこの仕事が出来て良かったって思ってる』

俺の腕の中から、嬉しそうにそう言われ、さすがに緩む頬を押さえることが出来なかった。

「……ほんとずるい」
『へへ、』
「仕返し」
『え、』

最後に、ニコニコ笑う〇〇の頬にキスをして、その顔が真っ赤になったことを確認すると、監督から、ようやくオッケーの声を貰えた。



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しょう〇〇ウェディング??なにそれ現実??
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CMの二人本当に幸せそうで泣いた
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このまま本当に結婚しないかな
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どう考えたって理想のそれだし本当に早く公式発表して
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これはもうしょう〇〇結婚ってことでいいですね
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CMもいいけど実際誌面のがヤベェからおたくは絶対見ろ
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しょう〇〇のお姫様抱っこ表紙にしようって決めた人誰本当にありがとう感謝しかない