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菅野と一緒に月を眺める
パイロットである菅野さんにとって、月は私よりも身近な存在なのかもしれない。
「夜はあまり飛ばねぇよ」
帽子を取った菅野さんは、いつもの暴言を言い放つ勢いとはうってかわって、夜の風のように穏やかだった。
「夜は昼間と違って視界が悪いからな。指で数えるくらいだ」
「そうなんですね、てっきり」
あんなに自由に空を駆け描く菅野さんを見ていると、月さえもひとっ飛び出来るのかと思っていた。
「てっきり……なんだよ」
「いいえ何でも」
「バカヤローコノヤロー、気になるじゃねーか」
月に行ったことがない菅野さんを見て、私は少し安堵した。