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「……どうか、したのか?」

「え?」

あ、私ったらまた妄想に走ってて…



「あ、あはは。
記憶を失ってから、なんだかぼーっとすることが多くて…」

「それはいけないな。
モルドに着いたら、医者にみてもらおう。」



(え……!?)



「だ、大丈夫です。
僕は昔から、ぼーっとしてる子だったみたいです。」

「そうなのか?ネイサンがそう言ったのか?」

「は、はい。」

嘘、吐いちゃった。
でも、そうでも言わないと心配かけちゃうし、仕方ないよね。



「あ、あの…アルバートさんは、ご兄弟はいらっしゃるんですか?」

なんでか知らないけど、私はそんな質問をしていた。



「あぁ、妹が一人いる。」

「あの…アルバートさんは、おいくつなんですか?」

「24だ。」



(わぉ!もうちょっと上かと思ってた。
私とほぼ変わらないのに、なんか落ち着きがあるんだよね。)



「こんな年になっても、恥ずかしいことにまだ独り身なのだ。」

「え?24なら、そんなに恥ずかしいことはないと思いますが…」

「そうか?モルドでは結婚は遅いのか?」

「え?えーっと…その…そういうことではなくて、ほ、ほら、うちの兄もまだ独身ですから。」

「なるほど。そういえば、ネイサンは私と同い年だと言っていたな。」



そ、そうなの!?
ネイサンさんもそんなに若いんだ。
え?じゃあ、私はネイサンさんより7つ年下って言っちゃったから、17歳ってこと?
えーーっ!?それは無理があり過ぎるんじゃあ……
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