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見えるのはただただ広く青い海…
天候は穏やかだったけど、変わり映えのない景色に変わり映えのない毎日…
それは、本当に退屈だったけど、それでも一日一日過ぎて行って…



「……もうじきだな。」

「何がですか?」

「モルドに着くのが、だ。
ほら、うっすらと輪郭が見えているだろう?」

「え?あ…あれですか!?」

「そう…あれは、ドーグ山脈だ。」

「ドーグ山脈……?」



良く考えると、なんか変だよね。
ネイサンさんは、モルドからファーリンドに来た。
モルドのことも良く知ってる。
それだと、モルドがあの世っていう理論が成り立たない。



(……なんでだろ??)



「そうだ、あそこはとても険しい山でな。
そのおかげで、あそこから国に攻め入ることは不可能…
つまり、モルガーナの城は、ドーグ山脈のおかげで自然の要塞となっているんだ。」

「……そうなんですね。」



ネイサンさんは、本当にモルガーナについて詳しい。
ってことは、やっぱりネイサンさんはずっとモルガーナにいたってことだよね?
じゃあ、モルガーナってどういう場所なんだろう?
私は、どんどん頭がこんがらがって、わけがわからなくなっていた。
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