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私も話が出た時、最初は辞退したんだよ。
一緒に行かれるのなら、他の方の方が良いんじゃありませんか?って。



でも、オスカーたちは身に付いた強い気のせいで怪しまれるかもしれないから、カンナのような者の方が良いって、アルバートさんが言って。
慌てて服や靴を準備し、私とアルバートさんはライゼル公の遠縁の者ということになった。



「そろそろ、おでましでしょうか?」

「そうだろうな。」



婚姻の儀は、ごく親しい人達で執り行われたようで、私達はお城のバルコニーでのお披露目を遠くから見ただけだった。
遠くからでも、王妃様がとても美しい人だっていうのはわかった。
まるで大輪の薔薇みたいに存在感のある人で、名前はアンジェラさんというらしい。
エドワード王も見たけど、これまたすごいイケメンだ。
背も高いし、体格も良くて、こんな美男美女のカップルは芸能人にも滅多にいないと思う程だった。



「国王陛下のおなり〜!」

大きな声に続いて、ラッパの音が鳴り響き、おふたりが広間に現れた。



息が止まるかと思った。
それほどに、アンジェラ王妃は美しくて…
その隣にいるエドワード王は、気品と威厳に満ち、私はおふたりの姿を見るだけで、胸がいっぱいになって涙が込み上げた程だった。
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