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ふと見ると、アルバートさんも食い入るようにふたりをみつめてる。
いや、その場にいた全員の目が、ふたりに釘付けだった。



「皆さま…今日は私共のためにお越しいただき、感謝します。
どうぞ、楽しんで行って下さい。」

「エドワード陛下!そして、アンジェラ王妃様…ご結婚、おめでとうございます!」

誰かがそう言ったら、あたりからおめでとう!の声が広がった。



「お二人の幸せな未来と、モルガーナのさらなる繁栄を祝して乾杯しましょう!」

髭の濃いおじさんが大きな声を上げ、私達はみな、グラスを掲げた。



「乾杯!」

あちこちからグラスのぶつかる音が響く。
私もアルバートさんやライゼル公とグラスを合わせた。



楽団が音楽を奏で、広間の真ん中ではダンスをする人がいて、玉座の王様、王妃様の前には、挨拶をする人の長い列が出来ていた。



「アルバート様、我々も参りましょう。」

「そうですね。」

「えっ!?」



王様たちに挨拶をするの?
なんて言えば良いの?
何もわからないんだけど〜!



「あ、アルバートさん、ぼ、僕どうすれば…」

「何も言わなくて良い。ライゼル公が挨拶をする間、私の隣に立ち、頭を下げていれば良いから。」

「は、はい……」

それだけとはいえ、やっぱり緊張するよ。
私は、グラスのお酒をぐいと飲み干した。
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