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しばらく待ってると、ついに私達の順番がやって来て…
あぁ、緊張し過ぎてどうにかなりそう。
私達は、ライゼル公よりちょっと後ろで立っていて…
おふたりを間近で見たいけど、なんか怖い…



顔を伏せたまま、ちらっと目線をあげて、おふたりを盗み見た。
王妃様…なんて、小さなお顔!
しかも、陶器みたいにお肌がすべすべだ。
大袈裟だけど、この世の者とは思えない。
それほどにお美しい方だった。



王様の方に視線を移したら、ちょうど目が合って…急に鼓動が速くなる。
私は慌てて、深く俯いた。







「いかがです?王妃に見覚えはありましたか?」

「いや…全く。
モルドにあんな美しい者がいたら、噂になりそうなものだが…
ファーリンドの者ではないのか?」

「いえ、ファーリンドでも見かけたことはありません。
まさかとは思いますが、庶民の娘なのでしょうか?」

「それは考えにくい。
あのプライドの高いエドワード王が、庶民の娘などを娶るはずがない。
しかも、前王妃を廃してなのだぞ。」

「確かにそうですね…」

アルバートさんは、首をひねる。



「王妃については、私が調べてみよう。」

「はい、よろしくお願いします。
それと、招待客のことなのですが…」

「さっきからずっと見ているのだが、ここに来ているのはだいたいが知った顔だ。
モルドの領主がほとんどだな。」

「やっぱりそうですよね…」
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