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「カンナ…今日は疲れただろう?」

「い、いえ……」

口ではそう言ったけど、本当はすごく疲れていた。
今日は早起きだったし…っていうか、昨夜は緊張してなかなか眠れなかったし。緊張っていったら、今日なんて一日中緊張してたし、体の疲れだけじゃなく、精神的な気疲れもすごいよ。
しかも、今日からはアルバートさんと同じ部屋で生活する。
それもまたものすごく緊張することで…



「湯あみをして、着替えたら楽だぞ。」

「は、はい、そうですね。」

大きな宝石のネックレスや王冠のせいで、確かに首も痛かった。
お風呂に入ってゆっくりほぐしたいのはやまやまだけど、ここでのお風呂は家のお風呂とは全然違うから、リラックスとはいかないな。



とはいえ、早く着替えたいのも事実。
ドレスはけっこう重いし、体にぴったりしてるから、夕食を食べて苦しくなった。



侍女さんたちに傅かれての入浴は恥ずかしいけど、これも王宮の習わしなら仕方ない。
それに、確かにさっぱりはした。
でも、お風呂から上がったら、ゆったりとした夜着に着替えさせられて、香水をばしゃばしゃふりまかれ、せっかく落としたのにまた綺麗にメイクをされた。
そう…今夜のお勤めはまだ終わりじゃない。
そのことを思ったら、恥ずかしくて顔が熱くなった。
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