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「しかし、あのオズワルドは、結局、誰の子供だったのでしょう?」

「そうだな…顔は王妃に似ているが、あの意志の強い視線はエドワード王に似てるような気がしたのだが…」

そうだね、言われてみれば確かにそうかも。
まだ幼稚園児くらいだと思うんだけど、年齢に似合わず、とてもしっかりして見えたもの…



「でも、もしもそうだとすると、エドワード王は王妃に騙されていたのでしょうか?
それとも、我が子だとわかって可愛がっていた?」

「……どうだろうな。
私としては、最初はジョシュアの子だと思っていただろうが、ある時、王妃が真実を伝えたのではないかと思う。
そして、そのことによって、エドワード王も改心した。
子供を道具として使うのは間違いだったと。
それに、きっと、オズワルドが可愛かったのではないだろうか?
私にはまだ子供がいないが、我が子というものは、自分の命よりも大切に感じるものらしい。
魔力はなくとも、モルガーナの世継ぎが出来たわけだし…
だからこそ、最期は王妃と王子を護って亡くなったのではないだろうか?」

そうだよね…たとえ血が繋がってなくても、一緒に暮らしてたら情はわくだろうし、実の子だとしたら、その愛しさは一入だよね。
私も、アルバートさんの言う通りだと思う。
きっと、エドワード王は、王妃様やオズワルド王子のおかげで目覚めたんだよ。
国を大きくすることよりも、もっと大切なものがあるってことに…



(うん、きっと、そうだよね……)
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