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モルガーナが滅亡してからというもの、モルドとファーリンドの間の交流はとても盛んになった。
ウェインライトとオルリアンでは、両国の学者たちが協力して、魔法の調査、研究がなされている。
王妃様は、魔法の存在する世界から来られたそうで、学者たちにいろいろと助言をしてくれている。



結局、オズワルド王子には、魔力はなかったみたい。
ってことは、アルバートさんの推測が正しかったってことだね。
ジョシュアさんのこと、ずっと疑ったままで悪かったな。



シュリさんは、なんと、オスカーさんと結婚することになった。
なんでも、オスカーさんは昔からシュリさんのことが好きだったらしく、アルバートさんはその気持ちにも気付いていたみたい。
アルバートさんといえば、ネイサンさんに妹のフランソワさんをすすめてるけど、うまくいくかどうかはまだわからない。
ネイサンさんはとにかく国を良くすることに必死だから。



(みんな…元気にしてるかな?)



家族のことを想っても、今はもう涙は出なくなった。
会えなくなっても、私達はずっと心は繋がってるって気付いたから。



私がこの世界に呼び出されたことに、一体どういう意味があったのか、それはわからないけれど…



でも、きっと、これが私の運命だったんだなって…
今はそう思えるようになって来た。
それには、もちろんアルバートさんの存在が一番大きい。
誰よりも私を愛してくれるアルバートさんがいてくれたら、私はきっとどこでだって生きていける。



(私はこれからも、この世界で生きて行く…!
……アルバートさんと、そして、あなたと一緒にね。)



私は、少し大きくなったお腹の中に話しかけた。



〜fin.

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