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(はぁ、さっぱりした。)



お風呂からあがると、長かった一日がようやく終わったような気がしてほっとする。
鏡の前で、長い金髪を梳かす。
私は、スウェーデン人の父の血を多く引き継いだようで、髪の色と瞳の色はパパと同じだ。
顔自体もどちらかというと、パパ似だと思う。
弟のケントは、髪が黒い。
明るい茶髪に染めてはいるけど…



今回の出し物は、西洋ファンタジーだ。
だから、他の団員は髪を染めたり、ウィッグをかぶったりするのだけれど、私はそのままで良い。
そのせいで主役に選ばれたんだって言われるんだから、本当に腹が立つ。



「ご両親に感謝よね。
そのルックスのおかげで、主役になれたんだから。
あなたのルックスが羨ましいわ。」



嫌味な口調で、先輩の真知子さんにそう言われた。
何が『羨ましい』よ!
この容姿のせいで、子供の頃はけっこういじめられたんだから!
見た目は外国人なのに、日本語しか話せないことでもおかしいっていじめられた。
だから、私は自分の容姿が好きじゃない。
そんなことも知らないで、勝手なことを言わないでほしい。
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