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気にすることなんてないわ。
私は、自分の力をすべて出し切って、エミリーという役をやりきるだけ。



夢見がちな16歳の少女・エミリーが、ある日、亡くなったおばあちゃんの家の洋服ダンスから異世界に飛んで行って、そこで不思議な体験をするっていうお話。
異世界ものは、今、けっこう流行ってる。
だからこそ、他の劇団とは一味違ったものを作りあげないといけない。



そんなプレッシャーに押し潰されそうになったこともあるけれど、今はもう覚悟も決まった。
自分を信じてやりきるだけ…!
それに、エミリーは割と私に似ている。
私も小さい頃から、好奇心が旺盛で、想像力が豊かで…
いろんなことを想像したものだ。
だから、ある意味、地でやれるような役だ。
もしかしたら、監督は私のそんな性格を見抜いて、主役にしてくれたのかもしれない。



(そうよ!私には必ず出来る!!)



鏡の中の自分自身に、そう言い聞かせた。
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