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(……なんだか薄気味の悪いところだな。)



螺旋階段は、まるで、奈落の底に続いているようだった。
俺の第六感のようなものが、得体の知れない危険を知らせる。
この環境のせいなのか?



やっと階段が途切れた。
真っ暗な廊下を進み、最奥の部屋の前で、エドワード王が扉の鍵を開いた。
供の者が、壁のランプに火を灯すと、その部屋の内部が映し出された。



(これは…!)



その光景に俺は総毛立った。



「おや…そなたは、これが何か知っているようだな。」

「い、いえ…そういうわけではございません。」



それは、嘘ではない。
俺は詳しいことは何もわからない。
ただ、これが良くないものだということは、俺の第六感が教えてくれた。



「何も案ずることはない。
今から、そなたにはほんの少し用を頼む。
そなたが行うことは、たいしたことではない。
だが、この国のためになる重大な役目だ。
……わかったな?」

「……は、はい。」

本当はその場から逃げ出したかった。
きっと、俺は何か良くないことに利用される…
だが、扉の前には剣を携えた兵士がおり、目の前にはエドワード王…この状況で逃げられる道理はない。
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