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それにしても、ずいぶんと広いお屋敷だ。



「わっ!」



不意にお腹の虫が鳴いて、びっくりして声を上げてしまった。
こんな時にお腹がすくなんて、すごいリアリティだ。
考えてみれば、けっこう長い間、私はこのお屋敷で彷徨っている。
お腹がすくのも当然だ。
って、今の私が負ってるのが病気か怪我なのかはわからないけど、そんな大変な時にもお腹はすくものなのかな?



(あ……あった!!)



しばらく歩いているうちに、私は天井の高いホールのような場所に出て、その先には一際大きな扉があるのを発見した。
ついに、意識を取り戻すきっかけの扉に辿り着いたんだ。
感動で胸がいっぱいになる。



(パパ、ママ、ケント…心配かけて本当にごめんね。もう大丈夫だから。)



私は、潤んだ瞳で扉を見上げ、力を込めて扉を押し開けた。
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