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だけど、そんなことは言えない…
それに、エドワード王が探してる人物っていうのもちょっと気になる。
「ネイサンさん…エドワード王はだれを探してるんですか?」
「さっきも言った通り、私も詳しくは知らないのだ。
私は城を衛る兵士で、ただ噂を聞いただけだからな。
ただ、その人物は、この世界を変えてしまうほどの重要な力を持っているということだった。」
(世界を変えてしまうほどの重要な力?
えらく話が大袈裟なんだけど…
でも、それが本当なら、私なんてますます関係ない。
私は、ただの女優のたまごだもん。)
「私、そんなたいそうな人物じゃありません。」
「それはわからないぞ。
そうでなければ、君のような平民の女性がさらわれるはずがない。
それに、ファーリンドはモルドよりも治安が良く、暮らしやすいところだと聞いているが…
まさか、人買い等ではあるまい。」
今の話から考えると、ファーリンドとモルドっていうのはきっと地名だ。
ファーリンドのことは詳しくなさそうだから、ネイサンさんはモルドってところから来たってこと?
モルドにモルガーナ城があるってことかな?
(あっ!)
そうか、わかった!
ネイサンさんは、モルドってところからファーリンドに着いたところで、なんらかのアクシデントによって死にかけてるんだ。
ファーリンドのことは良く知らないから、ここのことをファーリンドだって思いこんでるんだ、きっと。
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