「おーい、アレクシス〜!
早く出て来いよ〜!」

あたりはいつの間にか暗くなり始めていた。
だけど、アレクシスの姿は全くみつからない。
そんな時、奴が道の真ん中で突然立ち止まった。



「……どうしたんだ?」

「ここにはいないんじゃないか?」

「え?そ、そりゃあ、絶対にいるとは言い切れないが……」

「おまえなんぞの戯言に振り回されて、無駄な一日を過ごしてしまった。
これほど探してもいないのだ。
きっと、アレクシスはこことは違う場所にいるんだ。」

「そ、そんな……そりゃあ、俺も見てたわけじゃないから確かなことは言えないが、ここがフクロウが好みそうな森であることは間違いない。
現に、あいつはこっちの方角に飛び去ったんだし。」

「アレクシスはそこいらのフクロウとは違うのだ!」

「はいはい。アレクシスは特別なフクロウだって言うんだろ?
そいつはもう聞き飽きた!
いやなら勝手に好きな所を探せば良いだろ!」

俺がそう言うと、奴は不機嫌そうに眉間に皺を寄せ、俺を見下ろし睨み付けた。



「だいたいなぁ……」



さらに、文句を言ってやろうとした所へ、どこからかふらりと中年の男が現れた。
その姿から察するに、どうやらきこりのようだ。



「なんだぁ?こんな森の中で痴話喧嘩か?」

男はにやにやしながら俺達のことを見てる。
畜生!なんで、こんな悪魔みたいなエルフ野郎と痴話喧嘩してるように見られなきゃなんねぇんだ…!



「つまらない喧嘩なんかしてないで、早く戻ることだな。
この先には、魔女の家がある。
うろうろしてたら、どんな怖いことがあるかわかんねぇぞ。」

「魔女だってぇ?そんな話、聞いたことないぞ。」

「そりゃそうだ。
魔女の婆さんがこの森に来たのは、割と最近のことだからな。
だが、嘘じゃねぇぞ……俺は婆さんの家を知ってる。
前日には何もなかった所に、いきなり家が建ってたんだからな。
そんなことが出来るのは魔女だけだ。」

「へぇ…」

「だから、早く帰るこった。
じゃあな。」

木こりはそう言い残し、足早に去って行った。




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