(最高だ!
今日は俺の人生で最高の日だ!)



エリーズと一緒に過ごせないのは少し残念だったが、彼女はどうしても行かなくてはならない場所があるとのことで、どこかへ去って行った。
俺は酒場へ繰り出して、エリーズにプロポーズしたことを皆に話し、酒をふるまい大いに飲んで盛りあがった。
顔見知りの者はもちろんのこと、初対面の者達も、皆、口々に俺に祝いの言葉を投げかけてくれた。



こんなにうまい酒を飲んだのは初めてだ。
俺は顔が筋肉痛になるほど笑った。
嬉しくて、楽しくて、まさに世の中が薔薇色に見えた。
明け方近くまで俺達はさんざん大騒ぎして、酒場の閉店と共にようやく宴は解散となった。
酒の勢いも手伝って俺の幸福度はさらに増していた。
足がもつれてうまく歩けないことにさえ笑いが漏れる。
それだけでは飽き足らず、俺はまだ明けきらない夜の闇の中で、奇声を上げた。
そのくらい嬉しくてたまらなかったんだ!



「うわっ!」



その途端、バタバタという大きな羽ばたきの音と共に、真っ白なフクロウが薄紫の空を突っ切って行った。
こんな町の中に、フクロウがいるとは思わなかったが、そんなことまでもがまるで俺を祝福している出来事のように思えた。



「待て!アレクシア!」



脇道から駆け出して来たのは、長身で銀色の長い髪をした男だった。
色が透き通るように白く、長いローブをまとったその姿はどこか浮き世離れした印象を受けた。
その視線は先程の白いフクロウが飛び去った方へ注がれている。
だとすれば、アレクシアというのはあのフクロウの名前なのか?



「あのフクロウはあんたのなのか?」

「さっき、下品な奇声を上げたのはおまえか!?」



男は、俺の質問には答えず、怒ったような表情で俺に質問を返した。



「まぁ、確かにさっき叫んだのは俺だけど、下品はないだろ。」

「あれが下品でなくて何だと言うんだ!
そのせいで、アレクシアが驚いて逃げてしまったではないか!
アレクシアはとても繊細なのだぞ!」

頭ごなしな物言いに、俺はさっきまでの気分も一変。
かーっと頭に血が上っていくのを感じた。



「知るかよ、そんなこと。
そんなに大切なフクロウなら、ヒモでも縄でも括り付けてたら良いだろう!」

「な…なんだと!
おまえのせいでアレクシアがいなくなったというのに、謝るどころかそんな悪態を…」

男は気分を害したのか拳を握り締め、わなわなと身体を震わせた。




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