sacrifice escape
補足用ノート

▽ 古代エジプト編(その愛呼び醒ますことなかれ)




【該当小説】

 その愛呼び醒ますことなかれ

「《おとめ、ナイルの子らよ、汝らはケメト。愛よ、おのづから起きることなかれ。我の呼び醒まし時まで。殊更に、汝、その愛呼び醒ますことなかれ》……」



【引用分】

 旧約聖書 「雅歌」

・・・・・・・・・

◇2章7節

ヱルサレムの女子等よ我なんぢらに獐と野の鹿とをさし誓ひて請ふ 愛のおのづから起るときまでは殊更に喚起し且つ醒すなかれ

・・・・・・・・・

◇5章8節

ヱルサレムの女子等よ 我なんぢらにかたく請ふ もしわが愛する者にあはば汝ら何とこれにつぐべきや 我愛によりて疾わづらふと告よ

・・・・・・・・・

◇5章9節前半

なんぢの愛する者は別の人の愛する者に何の勝れるところありや(以下不使用のため省略)

・・・・・・・・・

 雅歌はヘブライ語で書かれ、聖書の中でも異端視される書物です。
(男女の仲を濃密に書いているから。)


 ソロモン王は紀元前971〜931年頃の人物で、イスラエルの王様です。
 アテムやアクナムカノン王のモデル、イアフメス1世〜アメンホテプ1世の頃より500年くらい後に出て来た人物で、「雅歌」自体はあまり関係性がありません。



 が、このソロモン王。エジプトの王女(第21王朝・シアメン王の娘)を妻にしています。

(シアメン王の娘説が有力視されてるだけ、というのはご了承下さい。)

 雅歌には「私は黒いが、美しい」という一節があり、これはエジプトの王女に対して歌ったのではないかと考えています。
 エジプト人は民族的にはアジア系民族に入り、アフリカ系とは違う赤銅色の肌が最も美しく、誇らしいとされてきました。
 そのため、「私は黒いが」→「民族は違うが(もっと言うと、エジプト王家からして黒い肌とヘブライ語は奴隷民族のものだった)私は優れていますよ」ということになります。

 王家の王女様がいきなり奴隷民族の王様に降嫁したら、そりゃあおべっかでもかかれないとやってけまへんて。

 (この降嫁は国同士の安全保障条約みたいなものでした。なおさらイスラエル側が絶大な力を持つエジプト側にご機嫌取りしないといけない状態です。)


 話しはそれましたが、そもそも《雅歌》は本当にソロモン王が書いたものなのか。
 私は「ソロモン王が書いたかもしれないけど、近しい歌が既にあって、ソロモン王がそれを清書した」と考えています。

(今、お前カトリック信者やめちまえって思った人。すごい正しい!)

 じゃあどっから流入したか。

 ……エジプトじゃね?(頭おかしい)



 私は黒いが美しい。
 黒くて美しい王妃が居ましたね。イアフメス1世の妻、ネフェルタリ王妃が。

 ネフェルタリ王妃はまあ旧サイトでも延々と語っていますが、彼女もヌビア人という黒い肌の民族でした。

 あなたの愛を呼び醒ましてはいけない
 まるで女系による王位継承を行った第18王朝黎明期を彷彿とさせます。


 そういう妄想が行きすぎた結果でした。
 今回ばかりは根拠も何も無いし、神話をイメージさせるようなノリでの引用です。
 でも雅歌は美しいからぜひご一読ください。 ビックリするほど聖書感ゼロ。
 聖書界のラノベかな????
(あんま言うとホント地獄に落ちる)



 そしてこれだけは言わせて

 古代エジプトはいいぞ!!!!!(大声)
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