城之内が広間への扉をひらくノブを掴んだ時、舞のその声は聞こえていなかった。それでも、城之内は舞からの答えをすでに受け取っていたのかもしれない。

「仲間だからに決まってるでしょ。」



「「「城之内!!!」」」


 開け放たれたドアの中心に城之内は立っていた。
 仲間たちが安堵する中、この結果に自信を持っていたキースはなおも鼻で笑う。
「フン…失格を宣告されに戻って来やがったか。」

 だがキースの思惑とは裏腹に、城之内はその金色のカード「王の右手の栄光」をたしかに開示した。
「参加カードだ。文句はねぇな?」
「(バカな!ヤツのカードはオレが…!)」
 キースが焦りを隠せない中、ペガサスとなまえだけは目を閉じて息をついた。

「確かに。トーナメント出場を認める。」
 クロケッツがそう言った瞬間、電子時計は定刻である11時を指した。

「はぁ〜、ヒヤヒヤさせやがって…」


「さぁキース…さっさとデュエルを始めようぜ。」
「ケッ…まぁいい。面倒だが相手してやるぜ。どのみちテメェをまつのは地獄だがな。」
「なら地獄でお前に勝つ!」
「このガキ!」


「これよりトーナメント2回戦、キース・ハワードVS城之内克也のデュエルを始める。」
 クロケッツの宣言に合わせて、本田や杏子の声援が響く。
「いけ〜!」
「がんばって〜!」
 その中にいて、遊戯はジッと真剣にそのデュエルリングに目を向けていた。
「(勝ってよ、城之内くん…!)」


「デュエル・スタート!」

「「デュエル!!」」


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