「さぁ覚悟しな!元全米チャンプのバンデッド・キース様が最強デッキで地獄に送ってやるぜ!」
「そんな肩書はここじゃ意味ないぜ!オレは町内大会8位からここまで来たんだからな!」
「チッ…口のへらねぇガキだぜ。」

 キースのターン、まずは裏守備表示でモンスターが出された。
「始まったわ!」
「厳しいデュエルになるだろうけど…」
 杏子に獏良の難しそうな声が掛かるが、本田は城之内への信頼からか自身のある声で2人を宥める。
「な〜に!アイツは今までだって厳しいデュエルを勝手きたんだ!」

 城之内は観覧席の仲間に頷いてみせると、同じく裏守備モンスターを出してターンを終了する。
「ケッ…テメェのデッキにゃザコモンスターしかいねぇってことはわかってるんだよ!消えな!」

 “拷問機械”(攻/1750 守/2000)

「マシーンモンスター?!」
 城之内のフィールドに出されていた“アルティメーター”が裏守備から剥がされると、あっけなく破壊される。しかし観覧席の遊戯や獏良に焦った様子はない。
「それでいいんだ」
「城之内くんはアルティメーターを囮にして、相手カードの攻撃表示を誘ったんだ。次のターンに相手より強力なモンスターを出すためにね。」

「(キースはマシーンモンスターを使うのね…でもどうして…)」
 なまえはただ黙ってデュエルを見ていた。

「おらよ、オメェのターンだぜ!」
 キースは余裕たっぷりに言い放つと、城之内はムッとしてカードを引いた。
「なんの伏せカードも無しかよ!その油断が命取りだぜ!」

 城之内は“魔導騎士ギルティア”(攻/1850 守/1500)を攻撃表示で出すと、拷問機械に攻撃命令を出した。しかしその攻撃はキースのモンスターを滑るように逸れ、拷問機械は無傷でフィールドに残っていた。
「なに?!攻撃がきかないだと?!」

「フフフフフ…引っかかったな。オレ様のマシーンモンスターは全て耐魔法の装甲にしてあるのさ。魔法攻撃は一切通用しねぇぜ!」

「そうか!このためにマシーンモンスターを…!」
「これで魔法系のモンスターはもちろん、魔法カードも封じたわけね。」
 遊戯となまえの視線が合う。互いに、キースが既になまえとペガサスのデッキに対策を打っていると察したのだ。
「クソッ!なんとかしろ城之内!」
 本田が悔しそうに地団駄を踏む。

 キースはさらに“陸戦型 TM-1 ランチャースパイダー”(攻/2200 守/2500)の強力なモンスターを出すと、城之内のギルティアは即座に破壊された。
「(くっ…強い!さすが全米チャンプ…!)」

 城之内(LP:1650)

「すごい…マシーンモンスターのパワーはケタ違いだ!」
 獏良の声に杏子が不安げにうつむく。
「か、勝てるよね?遊戯…」
「おそらくキースのデッキはマシーンカードが多くを占める“重量級パワーデッキ”…。すべての魔法攻撃を封じ込めて圧倒的な攻撃力で相手をねじ伏せる。しかしそのパワーを活かすためには直線的な攻撃にならざるをえない。そこに必ず攻略の糸口があるはずだよ!」


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