もうどのくらい歩いただろうか。
脚が鉛のように重い。地を踏む度、電流が走るように痛みが流れる。自分の後ろに作られた路には、赤い点々が付着していた。
素足で歩いているので足の裏が切れているのだろう。
だがそんなことはどうでもいい。
身体は疲労困憊なのに、どういうわけか前へ前へと動く。
―――ここで止まってはいけない。
自分の本能がそう警鐘している。そう、本能だ。止まってはいけない、歩かなければならない。
仇を、取らなければならない。
早く、早く早く早く行かなければ。
あの男の息の根を、この手で止めなければならない。
憎い。
その言葉しか出てこない。
真っ暗な路を歩む彼女は、ただ、昏い色を見せて歩を進めた。