辺り一面の雪景色に感動する余裕もなく、ザクザクと積もったばかりの柔らかい雪の中に足を突っ込みながら歩く私たち以外に姿は見えない。ここが街なのか森なのかさえもわからないぐらいに真っ白な視界でも、彼の目には進む先の道が見えているようで、何の迷いもなく歩くもんだから凍るように冷えて感覚が鈍くなった足を必死に動かしてついていく。それでも歩幅の差は倍以上なのでほぼ小走りになってしまい、とうとう息が上がって吸い込んだ冷気でむせてせき込んだ。
- 3 -
prev
|
list
|
next
top page