「本当に名前ちゃんが好きね」
人に言ったところできっと信じてもらえない話だろう。
親に話せば妄想癖がある子供だと思われるだけだろう。
でもそれは紛れもない事実で。
「うん、すき」
私にべったりとくっついて離れない可愛い男の子。
この男の子のことを私は今この世に生を受ける前から知っていた。
もっともそれに気がついたのは最近のことなのだけれど。
「名前ちゃんは?」
空のよう大きな青い瞳が私を真っ直ぐに見つめる。
少し不安を宿したその瞳は本当に綺麗で。
「わたしもすきだよ」
もうその瞳から不安は消え去って。
「ずっといっしょにいようね」
小さな身体で私を抱きしめた。
でも私はその約束に期限がある事を知っている。
私と彼、テツヤ君はいずれ知ることになると。
性別の壁は思っている以上に高いということを。
ずっと今のように一緒にいられるわけではないと。
きっと君は私を置いてどんどん前へ進んでいってしまうのだと。
今はただ、それが悲しい。
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