1週間前、彼と約束した。
それは私の両親が揃って家を開ける日。
私の方から、なんて言うのは少し恥ずかしかったけれど、それでも私だって本当はその日が来る事を望んでいたから。
だから勇気を出した。
部活がオフの日に都合よくどちらかの家族が揃って家を開ける事はそうそうなかった。
隠れてこっそり、なんて、もしもそんな現場を見られてしまえば今後の彼との付き合いにも悪い影響が出てしまうかもしれないしそもそも倫理的に無理だ。
だからこの機会を設けられたのは大会が終わってから約1ヶ月の時が経っていた。
この1週間、下手に時間が空いたことで私は妙に意識してしまい彼に対してもぎこちない態度をとってしまった。
彼は当然それがなぜかだなんてバレバレで、だから彼はそれに気付かないフリをして普通に接してくれた。
そして今日、彼と約束した日を迎えた。
朝起きた私は出かける両親を見送った後でシャワーを浴びた。
いつも以上に、念入りすぎるくらいに隅々まで身体を洗う。
既に心臓の鼓動は速く大きくなっていた。
今からこんなことで大丈夫だろうかと不安を抱きながらシャワーのお湯を止め浴室を出た。
しっかりと身体と髪を拭き上下揃った1番お気に入りの下着を着て服を着て丁寧に髪をブローした。
少しでも彼にとって可愛い女の子でいられるように。
自室に戻り携帯を手に取った瞬間タイミングを見計らったかのようにメールが届いた。
差出人はテツヤ君だ。
おはようの挨拶ともう家にお邪魔してもいいですかという内容のメールに私は一度深呼吸をしてからいいよと返信した。
彼の家は隣だ。
こちらが心を落ち着かせる時間の猶予なんてない。
メールを返してから数分もしないうちに家のインターホンが鳴った。
当然それはテツヤ君で、ドアを開けるといつもよりぎこちない表情で立っていた。
「座って」
普段であれば部屋に入ってわざわざそんな事を言わないのに。
緊張しているのは私だけではないのだろう。
扉の前で彼は立ち尽くしていた。
「...すみません」
彼は私の言葉を聞きようやく足を動かした。
私が先にベッドに座り横を軽く叩くと私の隣に腰を掛けた。
「...なんだかやっぱり、恥ずかしい、ね...」
「...はい、正直凄く緊張しています」
彼から石鹸のいい香りがした。
私同様彼もシャワーを浴びてきたようだ。
「...キス、してもいいですか?」
「...うん」
触れるだけのキスを一回。
二回目、三回目とおこなわれるその行為で彼の呼吸が少しずつ乱れていく。
それを肌と耳で実感してそれにつられ乱れる心臓の鼓動に私の息も上がり呼吸が乱された。
「...失礼、します...」
彼はそう断って私の膝の下に片手を入れもう片方の手を背に回しベッドに膝を立て私を持ち上げベッドの中心に優しく寝かせた。
「...なんかほんと..恥ずかしい...」
どんな顔をしていいか分からず両手で顔を覆ればその手を彼に優しく剥がされた。
そして私に覆い被さり私を見下ろし笑顔を見せた。わ
いきなり、なんてムードがないのかもしれないけれど時間が経ってトイレにでも行ってしまえばまたシャワーを浴び直したくなってしまうから。
彼は優しく頬を撫で、首、肩、二の腕へと滑らせた。
いっそがつがつきてくれたほうがこちらも何を考える余裕もなくなっていいのに、彼の触れ方があまりに丁寧すぎて逆に緊張してしまう。
「あっ、あの、テツヤ君っ!」
「はい、どうしました?...まだいけませんか?」
そんな彼の手が私の服の裾に手を滑り込ませたところで私は彼の手を掴んだ。
「...い、今更やめて、なんて言わないんだけど、ね?...なんていうかその、テツヤ君もこういうこと、シたいって考えるようになったのなら...多分そういう本とか、動画とか、観たことあると思うんだけど...」
「...まぁ...はい、否定は出来ませんが...」
彼は少し気まずそうな表情でそれを肯定した。
別に嘘をついたっていいのに、こういうところは彼らしい。
「...分かってる、とは思うんだけど、...私はああいうのに出てるお姉さんみたいに、その...色気のある身体じゃないから...あんまり、期待はしないで...ほしくて...?」
彼が誰かと私を比較して、なんて事をするわけがないと分かってはいるのだけれど。
彼が私にそういうことを求めてきた日から時間が経ちすぎた。
だから彼の中で変に私への期待が膨らみすぎているのではないかと、そんな不安を抱いたのだ。
「...貴方と誰かを比べるなんてするわけがないじゃないですか。
確かにそういうものにお世話になったこともなくはないです、...が」
「っ...!」
彼は私の服の裾を一気にたくしあげた。
「いつも頭の中では貴方の事ばかり想っていましたよ」
そのまま流れるような動作で背中とベッドの間に手を差し込みそのままホックを外した。
そして捲し上げた服と一緒に私の身体から取り払ってしまった。
遠慮なしにじっと私の身体を見下ろす彼の視線が恥ずかしくて手で覆うもすぐにその手を取られベッドに抑えつけられてしまった。
「...隠さないでください。全部、全部僕に見せてください」
「て、つや、君...」
掴んでいた手首を離し指を絡めるように握ってキスをして、そのまま首筋に唇を這わせてそこに軽く吸い付いた。
「んっ...」
首や鎖骨に彼の髪の毛先が触れてくすぐったくて、でも溢れた声はきっとそれだけが理由じゃない。
右手が私の手を離れて胸に触れる。
耳元へと顔を近づけ彼は囁くように声をだした。
「今まで見たどんな人より綺麗です。
想像よりずっと、...本当に...」
「っ、あっ...」
耳の中を生暖かい舌が這って、彼の少し荒くなった吐息がかかって。
「やっぱり、可愛いですね...」
胸元へと唇を寄せて今度はそこにも吸い付いて、先端を口に含んで舌で転がした。
「生まれた時からずっと一緒にいるのに...そんな顔を見たのも、そんな声を聞いたのも初めてです」
両手で鷲掴みにするように揉まれた胸。
今まで、前の人生でそういう事をされてそれ程気持ちいいと感じたことなんてないのに。
今の私はおかしい。
彼に触れられただけで信じられない程感じてしまう。
「こんなに柔らかいんですね、女性の胸って...」
気持ちいいですねと言いながら今度は私に見えるように先端を舌で転がして。
その光景に頭がくらくらとして私は目を閉じた。
「...こちらも脱がせますね」
彼は私に許可を取りスカートを脱がせた。
もっともいいよ、なんて言う前に脱がされてしまったのだからそれが許可をとったことになるのかは疑問だけれど。
「下着...シミになってますね」
太ももを下からゆっくりと撫で上げ、そのまま彼の指が下着の上から割れ目をなぞった。
「っあっ...っ!」
身体がびくりと跳ねた私を見て彼は嬉しそうに口角を上げた。
そのまま下着の上から親指でぐにぐにと擦られて抑えきれない声が溢れて。
怖くなって太ももを閉じれば彼はとうとう最後一枚残った下着を取り払ってしまった。
そして彼も自身の服を脱ぎ捨てて私の足の間に身体を押し込んだ。
本当に子供の頃以来に見た彼の身体にドキドキしてしまって彼を直視出来ずにいる私の手を取り彼は自身の胸を触らせた。
「ドキドキしているのは名前さんだけじゃないです。
僕も貴方に負けないくらい緊張していますよ」
彼はそう言って私にキスをした後そのまま下の方まで降りてぐいっと大きく足を開かせ足の間に顔を近づけた。
「...こんなに、なっちゃうんですね...」
彼はそこを親指で広げて舌で舐め上げた。
「やぁっん...っ!て、つやくっ、っあっ...!だ、め...っ!」
強い刺激に身体が逃げ出したくなって身体を捩ったけれど強い力で彼に抑えつけられそれは叶わなかった。
「どんどん溢れてきますね...もっと、もっと感じてください」
彼がそこをじゅるじゅると音を立てて吸った。
股を伝って溢れたものがどんどんシーツを汚していっているのが分かる。
お尻の下がどんどん冷たくなっていくから。
「...痛かったら言ってくださいね」
彼はそう言って私の中へとゆっくり指を挿入した。
記憶としては知っている、でもこの身体は知らないその感覚に私の頭はおかしくなりそうだった。
だってこんな感覚を私は知らない。
今も、昔も。
「凄く熱いですね、ここ...」
「や...っ!あっ、そこっ...んんっっ...!」
そんな信じられない快感の中、探るように触れた彼の指がもっと気持ちいいところに触れて大きな声が出た。
「...少しでも気持ちよくなってほしくて色々勉強してきたんですけど...想像以上の成果がでたみたいで嬉しいです」
彼はそう言ってそこを擦りながら敏感な突起に吸い付いた。
「あっ...!!〜〜っいっ、あああっ...っ!!!」
くちゅくちゅと鳴る水音と舌で刺激されたそこに私はたまらず大きく腰を逸らせて達してしまった。
彼は身体を起こし私の顔を見る。
こんなに頭が真っ白になったのは初めてのことかもしれない。
彼は私を見る目は愛しくて仕方ないと、そう語っていた。
「可愛すぎて困りますね...もうこれ以上ないってくらい貴方の事が好きだと思っていたのに...また今日もっと貴方を好きになりました」
可愛い、好きだと何度も言いながらキスをする彼の背に腕を回し抱きついた。
触れる肌が気持ちよくてもっと近づきたいと思ってぎゅうぎゅうと抱きつくと硬いものが足の間に触れて私は慌ててその手を緩めた。
「...すみません、先に着けますね」
彼は身体を起こし彼が用意しておいたのだろう、いつの間にかベッドの端に置いてあった箱からゴムを取り出し封をきって装着した。
「そんなに見られたら恥ずかしいです」
「!ご、ごめん...って、そういうテツヤ君もさっきめちゃくちゃ私のこと見たくせに!」
「まぁそれを言われると...そうですね、じゃあ沢山見てくれていいですよ」
彼は私の訴えにあっさりと意見を変えた。
でもだからと言って私が彼の事を直視出来る筈なんてなくて、結局私は彼から視線を逸らしてしまった。
というより何より今物凄く動揺してしまっているのだ、正直なところ。
彼のソレが想像より、その、ずっと...
「どうしましたか?」
彼は私の顔に自身の顔を近付けてそう訊ねた。
私は一瞬固まってぎこちない笑みを作ってなんでもない、と返答した。
「そうですか?...あの、すみません。
言いづらいのですが僕もうあまり余裕がなくて...」
今にも爆発しそうで、そう言って私の内腿に硬くなったそれを擦りつけた。
「貴方が想像よりずっとイヤらしく乱れる姿を見たせいです」
今ソレを擦りつけている彼だってよっぽどいやらしい顔をしているというのに。
恥ずかしくて、怖くて、でもそれ以上にもっと彼に触れたくなって。
「もう...いれ、て...?」
彼のそれに触れた。
ぬるりとした感触、きっと私の身体を気遣い潤滑剤が多くついたものを選んで用意してくれたのだろう。
昔からずっと彼は私に優しくて、ずっと私を好きで。
「...すみません、余裕がなくて」
そんな彼が大好きで。
「大好きです...これまでも、これからも.ずっと...」
割れ目をなぞって位置を再確認して、彼はそこに先端を押し付けゆっくりと身体を押し込んだ。
痛みが無いわけではない。
でもそれ以上に嬉しくて。
「もう...少しですから...すみません」
生理的に流れた涙を見た彼は私が痛みに耐えきれず泣いていると思ったのだろう。
彼は申し訳なさそうな顔をして私の涙を指で拭った。
「...ちが...違うの...」
彼の顔を両手で掴んで引き寄せて。
「大好き、だよ...テツヤ君...」
そのまま首に抱きついて唇を合わせて。
彼のソレが奥まで収まった。
なんとも言えない異物感、でもそれはけして不快なものなんかじゃなくて。
「テツヤ君...すき...っだいすき...っ」
自ら彼の口内に舌を捩じ込んで貪るようなキスをして。
「っ、名前っ、さんっ!!」
彼は腰を引き、再び奥まで打ち付けた。
私のキスに応えるように彼も舌を絡めて吸って、角度を変えて時々歯があたるくらい荒々しいキス。
彼だって初めてなのだ、腰を打ち付けるそれは少しぎこちなく荒っぽい。
でも痛みと同時に感じる彼を愛しいと思う脳が麻痺を起こして痛みごと全て快楽に変えてしまった。
「っはぁっ...っ!名前っ、さんっ!もっと、もっと、言ってくだ、さいっ...!」
彼が奥を突く度に響く肌のぶつかる音、なおも溢れていることを証明するかのように微かに聞こえるぐちゅりと鳴る粘度のある水の音。
「って、ち、って、つやっくんっ!!すきぃ...っ!ああっ...っ!!」
息も絶え絶えになりながら必死で彼に好きだと叫んだ。
彼は私を力いっぱい抱きしめて1番奥で繋がったままぶるりと震えた。
私の中で彼のモノがドクンドクンと脈打つのを感じた。
彼が達したのだと、それを体感した私は今まで感じたことのない程の幸福感に包まれた。
彼は私を抱きしめたまま動こうとしない。
そんな彼が愛しくての頭を優しく撫でると彼はゆっくりと身体を起こし、それはもう優しいキスをした。
「...こんなに...これほどのものだと思っていませんでした。
こんなに気持ちよくって、嬉しいものだったんですね...」
泣きそうな顔でそう言って笑う彼の頬に手を添えると彼はその手を握って目を閉じた。
そして彼の頬に一筋の涙が伝った。
「知っていますか?初恋が実る確率って100人に1人と言われているんです」
彼が顔を再び近付けた、私は伝った涙に唇を寄せる。
「中3の冬、僕のそれは既に成就していました。
勿論それから貴方の僕への想いを疑ったことはありません。
...それでも...それでも今...」
同じように彼が私の目尻に唇を寄せる。
きっと私も彼と同じ顔をしているのだろう。
「...単純だと、不純だと思われてしまうかもしれません。
でも今本当に貴方と心も身体も深く混じり合えたと、...それが嬉しくて...」
ぽたりぽたりと私の頬に彼の涙が溢れて私の涙と混じりあって頬を伝って髪まで溢れた。
「...大丈夫...分かってるよ。...私も、私も同じだから...」
私にとっても彼は初恋だ。
家族以外でこの世界で初めて出会った男の子。
小さな頃から私を姉のように慕って。
喜びも愛しさも苦しみも切なさも、様々な感情を彼と共に過ごし知った。
私にとって彼はまさに光...そのものだった。
「ずっと、ずっと一緒にいてね...これからも、ずっと...大好きだよ...テツヤ君...」
これからも貴方に愛してもらえる女の子でいられるように頑張るから。
「はい、勿論...ずっと側にいます。
何度言っても言い足りないくらい貴方のことが大好きです、名前さんのこと...」
貴方の眩しさに負けないくらい、私も貴方にとって輝ける存在でいられるように。
end