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瞬さんの部屋を出た途端、ズボンのポケットに入れていたスマホが鳴り出し、驚いてスマホを取り出す。画面には、驚愕の文字が・・・。
『第1話。主人公の貴斗は、隣人に気に入られ男同士のセックスに目覚める。〜どう?気持ちいいでしょ?〜』
「・・・はあ?いや、男同士って・・・。どうやってヤルんだよ・・・」
考えた事もない男同士のセックスが想像できず、スマホがやっと動いた感動より『男同士のセックス』という単語にツッコんでしまった。
・・・・・・ん?ちょっと待って。画面に自分の名前が載っているのは、気のせい・・・じゃない!!何でだよ!!主人公!?エロ漫画の世界に落ちたってだけでも納得してないのに、さらに主人公!?もう、勘弁してよ!!
とりあえず一旦部屋に入ろうと、瞬さんから言われた二階の左から二番目へ向かった。受け取っていた鍵で開錠して玄関を開けたら・・・。
「どわっ!?なになにっ!?誰だよ押し込むのはっ!!」
「僕、琉羽(るう)だよ!無一文で飛ばされたって言ってたでしょ?だから、僕の服いっぱいあるから貸してあげるね」
屈託のない笑顔で服が入った紙袋を俺に渡す、琉羽さん。中には、シャツやジーパン、さらにはパンツや靴下まで入っていて、俺は驚いてしまった。
「えっ・・・、いいん・・・ですか?」
「あははっ、さっき思い切りツッコミしたみたいに、タメ口でいいよ?僕、敬語あんまり好きじゃないんだ〜。名前も、琉羽でいいからね!ほら、サイズ合うか分からないから、早く着てみてっ」
ホラホラ早くと急かす琉羽に負けて、俺は恥ずかしさを持ちながら着ていた服を脱ぐ。
「わわ、貴斗の肌・・・きれー・・・すべすべじゃんっ」
「ひぃっ・・・!?ちょっ、びっくりするだろっ!」
「あははっ、ごめんね?貴斗の肌キレイだったから、触っちゃったっ」
琉羽に背を向けて脱いでいたから行動が見えず、背中を伝う琉羽の指に体がびくっと反応してしまった。
「マジで、びっくりするから触るなよ!すぐ着るから、触るなよ!」
「うん、分かった!触らない」
琉羽の顔を、もう触るなよと念を送るように睨んでから、紙袋の中に手を入れて服を着る。・・・・・・痛い、視線が痛いっ!後ろを振り返ると、琉羽がまじまじと俺を見ていた。
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万里一空@ALICE+.co.jp