<< topへ戻る / < novelへ戻る / 小説TOPへ戻る
「ねーねー、一緒に抜けない?」

クラブの轟音の中、俺は女の子に肩を寄せた。

「えー」

女の子は俺をジロジロと見る。
この子はきっとα。
綺麗ですらっとした体系、眼力があり気が強そう。自分に自信があって自由奔放って感じ。

「んー、でも…あんた相手いるでしょ。」
「え?な、何言ってんの?そんなわけなくない?」

一瞬焦ってしまった。
目が泳ぎ、あいつがいないかを確認する。
まさか…監視してないよな?
定時連絡もしたし…

「そう?でもマーキングされてるよ。」
「マーキング⁈」

マーキングとは、αだけが他者に行える行為。
その名前の通り、所有の意味を込めて自分の匂いを相手につける。マーキングの香りはα間でしか感じる事は出来ない。
俺にマーキングをするαなんて、1人しかいない。

「うん。こんな強い香りさせるα、きっと美人なんだろうね。で凄く独占欲が強い。とんでもなく面倒な女だね。」
「でもー」

顔を引き攣らせた俺が言い訳を言おうとした時だった。

「はーい、こんにちは〜。美人で独占欲が強くて面倒な彼女だよ♡」
「「‼︎」」

いつの間にか現れた奴が、俺の肩を組み微笑んでいた。
女の子は目を皿にして驚く。
だって、俺の肩に今手を置いているのは女じゃない。
身長も俺より高い。均等の取れた身体を持つ、立派な成人男性だ。
この男は小白(こはく)。
鼻筋が通った人形みたいな美形で、何処にいても人を惹きつける。典型的なαだ。

小白ニコリと笑うが、俺は顔面蒼白で固まった。

「…ぁ、え、えぇ⁈小白⁈」
「ふふ♡」

ですよね。
小白はそこそこ有名なモデルだ。
案の定、女の子は直ぐに気づき驚きの声をあげる。小白は悪戯っぽく笑って、その女の子に向かって人差し指を立て静かにとジェスチャーをした。
すると女の子は顔を赤くて顔をガクガクと縦に振る。

α相手に…流石だ。
さっきまで俺の前だと良い女ぶっていたのに、今じゃまるで恋する乙女だ。

「じゃぁ、俺のみけちゃんの相手してくれてありがとう。俺たちはこれで失礼するね。」
「ぁ、ちょっ、」
「これからお仕置きセックスだから。」
「「え?」」
「この事は、皆には秘密だよ。」

ぽかんとした顔の女の子を残し、俺、三池(みいけ)ズルズルと小白に引きずられ店を後にした。
 次へ
1/3
<< topへ戻る / < novelへ戻る / 小説TOPへ戻る
GARDEN/U N I O N/溺愛/至上主義