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Ωはαのものになる。
Ωはαには勝てない。
番になってしまえば尚更だ。

「やめろっ!…っ、あっ、はな…っ〜〜‼︎離せっっ!」
「はぁっ、椿の嘘つき。奥が好きな癖に。」

ベットの上でジタバタと暴れて逃げるが、両手を頭上で縛られて、足も折り畳まれて縛られて、大した抵抗にならない。
俺はきつく俺にのしかかる相手、主也(しゅうや)を睨んだ。
しかし主也はそんな俺の視線も、愉悦の表情で受け止めた。

「んんーーーっ!ふぅっっ!死ねっ。くっ、…っ、ぃぁっ…っ‼︎」

俺は真っ赤な顔を更に歪ませた。
そんな俺を笑い、主也は片膝を立てさらに奥まで差し込んだ。
そしてズボズボと激しく抜き差しする。

「ははっ、ああ違ったよね。気持ち良すぎて辛いから嫌いだったね?」
「ふっ、…っやめ…っ!ばかっ」
「ほら、奥中心にっ、ふっ、…っ、いーっぱい可愛がってあげる。」

更に奥、更に奥と差し込み、ぐりぐりと俺の弱点ばかり刺激する。

「あっ、〜〜っ!ふっ、それ、やだっ!それやだっっ!〜っ!」
「あははは、ずっといってる椿かわいい。痙攣エグいな〜。」

俺のΩ性が、番である主也のものに喜び絶頂が止まらない。
こいつにΩ売りされて、次のヒート期に速攻で番にされた。
それからは、こんな事ばかりだ。嫌になる。

「ぅ、お前っ嫌いっ!…っだ、嫌いっっ!はなせっ…っ‼︎」
「うんうん。はぁっ、…っ愛してるよ。椿。」
「ちがっ、…ぁあっっ!だか…っ、ほれ、やめろっっ!」
「愛しい、椿…!」

全然会話にならない。
愛情が度を超えてて気持ち悪い。
何故かこいつは俺が心底好きらしい。
しかし俺はそんな事はない。
番とは言え、毎度行為は拒否する。
拒否するので、毎回主也の部下数人でぐるぐるに拘束されてから行為が始まる。
今夜だって拒否して、トイレに立てこもっていた。しかし引きずり出されて、数人がかりで縛り上げられた。
毎晩毎晩よくやるよ。俺も主也も。

「椿…キス…」
「!」

ガチンっ

「っ‼︎」

更にキスをしようと身を屈めてくる主也の唇に、俺は噛み付いた。
主也の唇から血が垂れる。
主也は俺から目線を離さず、べろりとその血を舐め取った。
瞳には怒りの色が見えた。

「本当、毎度毎度…往生際が悪くて…愛おしいね。」
「ふーっ、ふーっ‼︎」

何でだよ!何しても愛しい愛しいって…頭の中どうなってんの⁈
早くこんな奴から逃れたい。
俺は世間一般から言って「捨てられた」って形でも、こいつから離れられるならいいと本気で思っている。
主也は世界屈指の坂本ホールディングスの跡取り。
金も名誉も持っているが、Ωをものだと思っている。
こいつといると、自分の価値を自分ですら見失いそうになる。それが嫌だ。

「仕方ないな。」
「!」

主也はぶつくさ言いながら、ベッドのサイドテーブルを漁った。
俺は奴の意図に直ぐに気づき、身を強張らせた。

「やっ、…っやだ!それっ!やだ…っ‼︎やめろ!やめろって‼︎」
「…はぁ?僕だって嫌だよ。なんで自分の番とのキスにこんのものが必要なのか…。でもこうしないと、キスもまともに出来ないなら仕方ないだろ?」
「っん!」

ぐじゅり
主也が俺自身に被せたのはオナホだ。
でもただのそれとは違う。
主也は高級スーツ屋兼Ω用高級性具店と言う、謎の組み合わせの店を経営している。
本当、こいつは馬鹿だ。
ただ高級スーツを着ている輩は須くΩを「持って」いる。
そんな奴に、この店のもう一方の商品は結構需要があるらしい。
そしてこれも、その店の製品。
最近開発されたらしいこれは、俺が今一番苦手なものだ。

「いっはぁっ…‼︎やめっ、やめろ、くそっ、やろ…っっ!うぅっ!」

主也は俺の静止も聞かず、カチカチと其れを操作した。
その瞬間、玩具が機械音を立て動き出す。
絶妙な力加減で、俺自身をいたぶる。

「あがっ、…っふーっ、いぁぁっっ‼︎」
「ふふふ、いい声。」

俺はその刺激に堪らず跳ね上がった。
そんな俺を見て、主也が口の端をあげる。

「あー、いい。いい…。」

主也は上体を立てると、俺を眺め緩く動きだした。
未だ奴のものは俺の中だからな。
俺が感じる度に。奴のものを意図せず締め付けてしまう。
それにぶつぶつと歓喜の声を漏らして、悦に浸っている。

「うぁ…っ!くっそ…くぁっっ‼︎〜〜っ!あっ、だめっ、ダメダメっ!」
「ふーっ…あー、椿、上手だよ。良い締め付け…。気持ちいぃー。」

主也はビクビクと痙攣する俺をうっとりと見ながら、ゆっくりと挿入を繰り返す。
コツンコツンと俺の尻に、主也の骨盤が当たる。
その振動すら甘い疼きになる。

「どめっ…っ、あぁ゛〜〜〜‼︎」
「ふー…」

そして天井を仰ぎ見ると、満足気に息を吐いた。
コレは、主也に言わせれば俺専用モデルらしい。
俺の弱い所ばかり重点的に刺激してくる。亀頭を擦り、全体を生暖かい樹脂がやわやわと揉む。
それに加えて、ピリピリと微弱な電流が流れる。

「ひぐっ、…っ、あーっ‼︎またっ、いぐっ、〜〜〜っ!あっ、ど…っ!どめ゛で‼︎〜〜っ!」

あー、頭ん中真っ白。
チカチカ星が炸裂する。
噛み締めた口間から涎がたれる。
ほんと、これ、やば…。

「ん〜、うん。うん。わかってる。」
「んん゛〜〜っっ!」

全然分かってねーだろ!
早々に容量オーバーで、俺の精液が玩具の隙間から溢れ出た。

「愛してる。大好きだよ。椿…」
「ふぎっ⁈離れ…っ〜〜っ‼︎」
「いいこいいこ。上手〜。」

ただでさえキツのに、主也は俺に倒れかかり抱きしめてきた。
俺の腹と主也の腹に挟まれ、俺自身はより一層強い刺激に苛まれる。

「あっ〜〜っ‼︎ぐっっ‼︎〜〜っ!ふっ」
「気持ちいいんだね。椿。はぁ、僕も、気持ち良い…。」
「あっ〜〜っ!」
「二人でもっと気持ちよくなろう。」

言うや否や、主也は体をずらして俺を握ると、更にぐちぐちと抜き出した。

「あ゛ぅっ〜〜っ!やめっ!うっっ〜〜っ!とま、なっっ!」

俺にしたらたまったまんじゃない。
主也に首筋を吸われ、もう何が何や
ら。

「はっ、…っ、出そう…っは、椿、椿…っ!」

俺は虚な瞳で、ただただ「あーあー」声を漏らして力なく揺すぶられるだけだった。

「っ!…はぁ…、気持ちいいねぇ。」

主也が息を詰め、腹の中に出されたのが分かった。
Ω性が番の出したものに歓喜して、また軽く達してしまった。
びくりっと体が跳ねた。

「はぁっ…ぁ゛っ…っ」

そうして俺の意思が混沌としてきたところで、主也が徐に俺の口に指を2本入れた。
噛みつこうとするけどもう力が出ず、結局浅い息が漏れただけだった。

「ふゅっ…っ」
「ふふ、」

主也は俺の舌をつまみ上げ、親指でくりくりとくすぐった。
まだ主也は自分のものを抜かず、悪戯に腰を揺する。
それすら俺に快楽を与える。

「可愛い…」

玩具が緩い動きにシフトされた。
俺はくたりと項垂れてハクハクと小刻みに震えていた。
舌を引っ張られ、口の端から透明な糸が垂れる。
それに釣られる様に、主也が口付けた。

「んっ…っ」

主也の舌が押し入り、へなへなの俺の舌をくすぐる。

「ふ。」

暫くそうして俺を味わい尽くして、主也は満足気に唇を離した。
体中がじんじんする。

「ゆっくり、眠っていいよ。綺麗にしててあげるから。」

主也が俺の目を手で抑え、半分しか上がっていなかった瞼をそっと閉じさせた。
意識が沈んでいく。

「今日も頑張ったね。愛してるよ、椿。」

愛おし気に俺の頭を撫で、最後に主也は俺の額にキスを落とした。
未だ体を弄られる感覚と、唇にキスされる感覚はあった。
しかしもう指一本動かすのも怠かった。
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