何でこんなことになったんだろう。
眼下に広がる光景を前にキルアは思う。ただ彼女の笑顔が見たかっただけなのに、と。
「きるあ」
「……」
「ね…かえ、」
「うるさい」
語気を強めて言うと途端に彼女は大人しくなる。ああ、違う、違う。こんな顔をさせたいんじゃない。笑わせたいのに。ただ、それだけなのに。
きっかけはとても単純なものだったと思う。『みんな元気かな』。懐かしそうに微笑む彼女が今にも消えそうで、キルアが彼女から離れる回数は極端に減った。それを彼女は心配そうに見ていたが特に何か言ってくることはなかった。
そんな日々が続いた頃。寝惚けた彼女がキルアと"あっちの人間"を間違えた。彼女は何度も謝ったが、キルアの不安は増すばかりで更に彼女から離れなくなった。
これではいけないと思ったのだろう。彼女は"向こうの世界の術"で作ったものをキルアにプレゼントした。もちろんキルアは喜び、これで以前のような友人に戻れるだろうかと彼女は安心した。
それがいけなかったのだろう。
『エドはもっとすごいんだよ!』
彼女はあまり"向こうの世界"のことを話さない。キルアがいい顔をしないからだ。しかしその時の彼女は油断していた。キルアとの関係は、もう二度と以前と全く同じには戻らないのに。
『……帰りたいの?』
気がつけば彼女を押し倒していた。目を見開く彼女に決まりが悪くなって、何となくで唇を重ねた。すると何かされると想像した彼女が抵抗を見せたから、それが気に入らなくて体を押さえつけた。震える彼女に気分が良くなって、思ってしまった。
——なんだ、こうすれば帰れねーじゃん。
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