世間一般で言う"お嬢様"ってわがままなイメージだよね。執事や親に「あれ買って!」「早くしなさいよ!」とか言ってる印象がすごくある。
 もしくは清楚で淑やかな女の子かな。「綺麗な花ね」「今日はどこに行こうかしら?」みたいな。
 どちらにしても「おお、また麦わらが暴れたんだウケるー!!」「え、火拳捕まったの? マジかー……顔好みだったんだけどなー」とかは絶対に言わないだろう。

「——よし!じゃあ麦わらに会いに行こう!」
「はい!?」

 まあ、その絶対に言わないであろうことを言うお嬢様が私なのだが。

「ユキ宮! お止めください!」
「そんな所に立ってはなりません! 早くお座りに……!」
「うっさいなー。たかがベッドに立ってるだけで大袈裟なんだよお前らは」

 やれやれ、と柔らかすぎるベッドでバランスを取りながら嘆息する。まったく、執事のくせにうるさいことこの上ない。私はお嬢様だぞ。主の命令をきけんのか!

「つーかそんなことどうでもいいんだよ。おいお前ら! 私は麦わらのルフィに会いたい」
「なりません! 海賊に関わるなどもっての他! あなた様は天竜人なのですよ!?」
「だからなんだよ差別かコノヤロー。人間は生まれながら平等って言葉知らねえのかよまあ私は生まれた瞬間から偉いけどな」
「コノヤっ……!? ああユキ宮がそんな汚いお言葉を……!」

 フラッと額に手を当ててよろめく執事1。名前は知らない。ていうか何十人といる執事の名前なんざ覚えられるか。
 あ、そうそう。私ただのお嬢様じゃなくて天竜人です。「〜ざます」とか言ってる奴らの血縁なんだよマジウケる。まあ私はそんな言葉遣いしないけど。何でって、あの喋り方オバサンくさい。

「とにかく麦わらに会いたいー! 麦わらのところにいる珍獣にも会いたいー! 会ってモフモフしたいー!!」
「珍獣ならば奴隷で探せばいくらでもいるでしょう!」
「奴隷なんざ興味あるか! それに私は人に物を渡すのが大っ嫌いなんだ! 金なんてもっての他だね! あり得ない!!」

 嫌悪感を隠さずに言い切ると「ええ〜!?」と叫ばれる。うるさいな。鼓膜破れるわ。

「てなわけで30分以内に船用意! 一秒遅れるごとにお前らの中の一人がタダ働きになっていくから」
「なっ……それは無理で」
「あ"?」
「……直ちにご用意致します」
「行き先はシャボンディ諸島! 行くぞー!!」
(また旦那様に怒られる……)






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