グラン・テゾーロ。所謂"世界最高のエンターテイメントシティ"であるここは大変に目が痛くなる町だ。なんせ町全体が黄金。どこもかしこもキラキラしやがって目がチカチカすることこの上ない。

「あーマジ気分悪い」
「大丈夫ですかユキ宮!」
「お前が大声出さなきゃな。頭に響くんだよクソが」

 ここは世界貴族専用の部屋。グラン・テゾーロの国王、テゾーロから天竜人への献上金を巻き上げにきたのだが如何せん引きこもりの私に船旅はキツい。そしてチカチカする町を見たらもう私のライフは0だ。
 虚弱? 黙れバカヤロー。

「そういや何か騒がしいな。誰かいんの?」
「さあ……私共は存じませんが」
「ふーん。麦わらとかだったら面白いのに」
「なっ、ダメですよ! あいつらはドフラミンゴを倒した凶悪犯です!」
「はっ、どっちが凶悪犯か知ってるくせに」
「……あなた様の身を守るためでございます」

 私の執事は大体はその辺に転がってたのを拾ったものだ。神のような権力を持つ天竜人風に言うと"ただの人間"。
 ったく、他の天竜人共はバカなのか。奴 隷よりもこういう奴らに恩を売った方が忠実だし使える。マナーは叩き込めばいい。生まれながらにして違う? だからこの世で一番偉い私がそいつらを使ってんだろ。

「ああもう暇! 散歩行く!」
「ええ!? お待ちくださいユキ宮! せめてマスクを……!」

 少し気分がよくなってきたから廊下歩くか。この階は金はないから大丈夫だろ。
 そんな訳で部屋のドアを開ける。後ろで騒ぐ執事共を無視して足を進めると前方に人影発見。げ、他の天竜人か。名前知らんけど。

「! あ、あなた様は…!」
「黙れ。お前ごときが私に話しかけてんじゃねーよ」

 奴隷の上に乗っていたおっさんを睨みながらそう言う。するとおっさんは慌てて「も、申し訳ありませんえ〜!」と、奴隷に急ぐように怒鳴って去っていった。
 ああウザい。人の顔色ばっか伺いやがって。

「で? そこにいるのは誰」
「!?」
「早く出てこい。今ならテゾーロに言わないから」

 シーン、としたまま動かない気配。チッ、と舌打ちをして背後を振り返る。

「はよ出てこいってば! 私暇なんだよ!!」
「お前の都合かよっ!!」
「お」
「……あ」

 右手をビシィッ! と伸ばしたまま固まる長鼻と目が合う。冷や汗をダラダラ流す長鼻にニッと笑うとギャー! と叫ばれた。






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