「おーおー、風流だねぇ」

 船の上にて、グラン・テゾーロから放たれる花火にそう呟き甲板に用意させたソファに座る。執事3が渡してきたホットココアを一口飲み、テゾーロが連行されている軍艦を見た。

「……あいつも哀れだね。同情される人生を歩んできたのに、それを台無しにするほどの罪を犯したなんて」
「元海賊ですから」
「んなもん関係ねえよ。あいつは金に囚われすぎた。生まれた瞬間から偉い私にはわからん思考だ」

 背中にブランケットを掛けられ、胸元に手繰り寄せる。あーあ、結局麦わら本人には会えず仕舞いだしつまんねーの。まあ麦わらがテゾーロを倒したのが逸早く知ることができたからいいけど。

「あいつの一番の罪は自分のことを神だと勘違いしやがったことだな。この世で金を持ってる奴が一番偉い? 違うな。この世で一番偉いのは私だ。金は関係ない」
「その通りでございます」
「定型文言われても嬉しくねーよ」

 恭しく頭を垂れる執事共を鼻で笑う。私の言葉を肯定する返事は聞きあきた。たまには誰か私に反抗しろよ。例えばほら、麦わらの一味みたいに。

「あ、麦わらの一味入りたい」
「ダメです!!」
「……お前らこういうときだけ反抗するな……」
「当然です! 危険ですし、何より海賊は犯罪者ですよ!!」
「知ってるっつの。アホかてめー」

 ていうか本気で入りたいとは思ってない。立場上今さらだし別に命が惜しいと思ってるわけでもないけど、そもそも私は強くない。色んな刺客を掻い潜るために気配は読めるようになった。でもそれだけだ。私単体は弱い。別に強くなろうとは思わないけど。

「とりあえず麦わらには絶対会う。これ決定な」
「だから海賊は犯罪者ですから危険ですーっ!!」

 ——とまぁ、そんなこんなで私のグラン・テゾーロの旅は終わった。あ、献上金はちゃんと押収したぜ。






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