+α越しの反抗期
「チヨ!どういうことだよ!」
バンッ!と荒々しく開かれた扉から現れたのは、琥珀を瞳に映した男だった。
ずかずかとベッドに寝そべる部屋の主に詰め寄ると、未だにこちらを向かない様子に堪忍袋の緒が切れる。
男は尋ね人の、周囲の音をシャットアウトする高機能なヘッドホンを無理やり剥がす。
手元の小型ゲーム機に向いていた同じ色の瞳が漸くこちらを映した。
「なに、ツナヨシ」
「どうして入学予定のロイヤルソードアカデミーの内定を取り消して、わざわざナイトレイブンカレッジに入学するんだよ!」
億劫そうに返事をする妹に、ツナヨシと呼ばれた男は息巻いた。
「NRCからも入学の案内来てたし。
そっちには私が行かなくても護衛はハヤトとタケシがいるから大丈夫でしょ」
「そうじゃないだろ?!なんで何の相談もなく勝手に変えちゃうんだよ!」
「九代目と親父には話したよ。手続きもあったし。」
手元のゲーム機の電源を切り、ベッドの上に座ってツナヨシに向き合う。
瞳はまっすぐと同じ色を捉えた。
「はあ……チヨは一度決めたら梃子でも変えないよな……。
………わかったよ、困ったことがあったら言うんだぞ。みんなお前の味方なんだからな?
それに、いつでもこっちに転入させるから。」
「相変わらず過保護だなあ。まあなんとかなるなる。」
ツナヨシは「誰のせいだと……」とため息をつくと、「わかったよ…」と諦め混じりに降参した。
「……俺の見ていないところで死なないでね、チヨ。」
ツナヨシのつぶやきにチヨは「はいはい」と生返事をした。
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