終夜逢雪

終夜逢雪(よもすがら おうせつ)
三十代後半の線が細い男性。五十嵐一途が生活している建物のオーナー兼、地下で経営しているバー「チェルトポロフ」のマスター。その他賃貸での収入も得ているので生きていく分には困らない。喫煙者。

芸術的な娯楽に適当に関心があり、バーの一部の壁は絵が飾れるように設計されている。
希望があれば期間を決めて絵の展示や売買といった仲介などを行ったりしているが、場所代の請求や仲介手数料等は取らない。代わりに展示されるには彼なりの基準(不明)をクリアしなければならないため、飾る・売るなら誰でも良いというわけではない。そこらへんは少しシビア。
バーの角スペースにはアップライトピアノが置かれているが、普段はカバーが掛けられており曰く「ただの置物」になっているとかなんとか。昔ピアニストないし楽器に準ずる職に就くことを望んでいたが、事故で怪我をしてしまい手が思うように動かなくなってしまった。日常生活を送る分には支障ないが、気圧や精神的なものでたまに震えたり動かなくなることがある。
性格は程よく真っ当、変なところで緩かったり適当。拘るところには徹底的に拘りを見せるけどそれ以外にはドライ。20代のころはよく遊んでいたとかなんとか。年下の若いかわいい男を弄ぶのが好きでもガードが堅い。誘われても笑顔でデコピンしたり煙草の煙吹きかけて断られてしまうほうが多い。

自身の「寄せ餌」の体質を幼い頃から感覚的に理解している。幸い攫われたり監禁されることはなく未遂が多かったものの危険性に代わりはなく、大抵はひとりのときにその事象が起きるため他者に証明も説明もできなかった。
理解されるような事象ではなく、家族や親族がそれに巻き込まれることを避けるために早い段階で家を出ているが、家族仲自体は悪いわけではない。しかし安全面を考慮して直接会うことはせず、連絡は手紙でのやりとりに留めている。小夜蛍雪とは親戚。彼からは「逢ちゃん」と呼ばれている。

18歳の頃に街中でとある人物と出会い、その際に自身の体質について初めて他者から指摘をされる。しばらくはその人物と交流を続け、バーの経営を始めた数年後に彼が身内だと連れてきた一途という少年と、3人で過ごす日々が続いていた。
ある年の冬からは一途とふたりで距離を取りながら過ごすようになる。決して不仲というわけでもなく、つかず離れずの距離感で接している。
一途の性格から彼の今後を心配していたが、最近彼のもとに出入りしている人物がいることを知っているためか以前よりもあまり心配しなくなった。

バーのカウンター奥に不自然な空きスペースがある。以前はそこに絵を飾っていたらしいが、現在はなにも飾られておらず、そこだけぽっかりと穴が空いている。
その絵を「魔除け」として贈った人物のおかげで確かに被害は減っていたが、現在の終夜逢雪には誰かを守るために自分の身を守る必要がなくなってしまった。家族は変わりなく過ごしており、五十嵐一途の傍には自分と■■以外の他人がいる。
精神的なガードが硬くひとを翻弄する一方で無意識のうちにいまの環境からの逃避を望むようになっている。それに対する自覚はうっすらと持っている。自分があの青年の面倒を見なくても、守ってその傷口に寄り添えるひとがいるのだ。自分はそれを塞ぐこともできずただ遠くから見ていることしかできなかった。
じゃあ自分のこの虚しさは誰が埋めてくれるだろうか。しかし求める理想が高いようで、なかなかその機会が巡ってこない。
あの魔除けはもう外したはずなのに、ひとりになったはずなのに、どうしてかそういうときに限って、全てを一瞬で呑んでしまうような雪崩はやってきてはくれないのだろうと思いながら、今日も煙草をふかしている。


◎お守りについて
捏造想像AFです。魔除けの赤色をしたお守り。普段はマッチケースに入れて持ち歩いている。所有しているときにHP+3、下級の生物ならちょっと避けることができるかな、くらいのもの。なにか会った際にHP3までの値なら身代わりになってくれる。水や指に触れると綺麗な発色の赤色になる。触れても特に害はなく、クレンジングとか使えば簡単に落ちてしまう。もしなにか衝撃を受けたら普通に壊れるのかなと。
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