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満開の花

すると、どうでしょう。
灰のかかった枯れ木に、満開の花が咲いたのです。
おじいさんは、うれしくなって。
「枯れ木に花を咲かせましょう。ほれーっ」
と、言いながら枯れ木に灰をまいて、満開の花を咲かせました。


ちょうどそこへ、お城のお殿さまが通りかかりました。
「ほう!これは見事じゃ」
お殿さまはたいそう喜んで、おじいさんにたくさんのほうびをあげました。

それを見ていた欲張りじいさんが、
「おい、わしも花を咲かせてほうびをもらう。その灰を、わしによこせ!」
むりやり灰を取り上げると、お殿さまに言いました。
「殿さま、この灰はわしの物です。わしが枯れ木に花を咲かせますから、わしにもほうびを下さい。ほれーっ!」
欲張りじいさんは殿さまの前でたくさん花を咲かせようと、灰をいっぺんにまきました。
すると花が咲くどころか、お殿さまの目に灰が入って、欲張りじいさんは無礼をとがめられて罰を受けたということです。

おしまい
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