ゆびきり

「あ、おかえりー、謙也」
「謙也、聞いて聞いて! あたし、蔵と付き合うことになった!」
「え、ちょい待ち。さっきの今でどうやってその話に持って行ったん?」
「ちなみに謙也も一緒やで! いつまでもあたしと蔵と三人、仲良ぉしよな!」
「えええええ、ほんまどういう流れ!? お前らが付き合うんちゃうの?」
「おん、付き合うで。あたしとー、蔵とー、謙也で。約束なー、はいゆーびきーりげーんまーん」
「意味解らん、ほんっま意味解らん! どういうことか説明せぇ!」
「二夫一妻制を導入しました」
「遥の熱烈な希望によりそれで落ち着きました」
「頭おかしいんちゃうか。日本は一夫一妻制や」
「なんでやのー、別に結婚届出さんかったらええやん。マンション借りて三人で住むねん」
「いやな、遥、お前付き合うって言ったらな、手ぇ繋いだりキスしたりやなー、その、なんや、ほら」
「せっくす?」
「なんで濁してんのに言うんや。まだ可愛くえっちとか言うとけや」
「えっちとか子供っぽいわ」
「まぁええわ……でな、そういうんするやろ? そういう時に三人っておかしいやろ」
「三人ですればええんとちゃう?」
「白石、お前まで何言うてんのや」
「大丈夫大丈夫、謙也は早漏やから先にへばるやろ。その後に蔵と二人でするから」
「遥、謙也さんそろそろ傷付くで?」
「だいじょぶだいじょぶ、満足させたるから」
「おん、俺もおるしな。満足させたるから」
「ちょお待て。なんで白石が俺を満足させるねん」
「それはあたしが美味しい展開! 是非!」
「ほれ見ぃ白石! なんか違う方向に行ってもたやんか!」
「俺のせいちゃう、遥の性癖の問題や」
「まぁまぁ、とにかくあたしと蔵と謙也、三人いつまでも仲良ぉしましょっちゅー話や」
「はぁ……そらまぁそのつもりやけど」
「浮気したら謙也の消しゴム全部捨てたんねん」
「ほな俺は謙也に一生おでんの牛スジ食わさんわ」
「何なん、俺の扱いだけひどない?」
「ほな蔵が浮気したらー、絶頂禁止令出すわ」
「どんな禁止令やねん」
「絶頂言うたらその分あたしが無駄遣いしまくる」
「無駄はあかんで無駄は!」
「てか白石のんだけ緩ないか? 俺は即捨てられて、白石は絶頂我慢したらええだけやろ?」
「俺から絶頂を奪うっちゅーことは、アイデンティティの崩壊やで、謙也」
「知らんがな」
「ほな遥が浮気したらどうすんねん」
「えっ、あたし浮気せんし。蔵と謙也一筋やし」
「二人おる時点で一筋ちゃうけどな」
「謙也、ここまで遥に言われたら俺らも浮気なんか出来へんなぁ」
「ほんまやなぁ、俺ら愛されてんなぁ」
「あ、でも財前可愛いわな!」
「さっそく浮気かい。ええ度胸や」
「俺こんなん嫁にするん嫌やわ白石……」

(20120610)