「他人に身体の一部を植え付けて操る術式ぃ?」
「五条くん、声が大きい…!」
口を押さえようにも、背伸びをしても彼の口元に私の手が届く筈もなく、彼はめんどくさそうに舌を出した。確かにそもそも校舎に人は疎らだし、全学年を足したって10人にも満たないけれど、それでも気が気じゃなかった。私がその話を耳にしたのは、間違いなく天元様のお膝元でもある高専内である。
「別にいーじゃん。聞かれて困るもんでもねぇし、誰も聞いちゃいねぇよ」
「や、でもほら、万が一ということもあるし…」
「つーか先輩こそそんな話何処で聞いたの?そっちの方がやばくね?」
ずらされたサングラスから、六眼が向けられる。詳しいことは私だって知らないし話せない。思わず口を噤んだ私に、五条くんは溜息を吐いた。
「まあいいや。んで、その術式がどうかしたの?」
「私も詳しい事は分からなくて。他人の身体に乗り移って生きながらえるとか、そんなことできるのかなって」
「んな便利な術式あったら呪術界の爺さんたちが総出で探し出しそうな気ぃすっけど」
「そうなの。でも情報はなくて…五条くん、お家の文献とかで見た事ない?」
「あんまり探らない方がいいんじゃない?先輩弱いんだし…」
「そう、だよね…ごめん、忘れて」
「