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「織!!何で僕には連絡くれないの?酷い!」

高専関係者に菓子折りを配り終え、漸く来客用の応接室でゆっくり過ごせるようになった途端、それは現れた。引き戸が壊れるくらい乱暴に開けられて、人を食ったような笑顔が顔を出す。2ヶ月ぶりに見る夫の顔は、さして前と変わりはなかった。

「あれだけ何度も無駄な連絡が来たら、返信する気も冷めるでしょうに」
「それでも東京に行く時は一緒に行くって言ったじゃん。忘れちゃった?」
「一緒に行きたくないから、こうしてバラバラに来たんです」
「何で?新幹線なんか使わなくても僕となら秒で東京着くのに」

何で何で、と子供みたいに周りをうろうろされては、ゆっくりお茶も飲めない。アイマスクの奥で様々なものを見透す六眼が不満そうに

「せやから、それが嫌なんや!」



「あと生徒の前なんやからしゃんとせい!」



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